廃棄物処理制度専門委員会(第3回)の傍聴記

日本一早い速報を標榜しておりましたが、PCのWindows絡みのトラブル発生のため、7月1日(金)の更新は断念いたしました。

皆様もWindows10へのアップグレードには十分お気を付け下さい(苦笑)。

「中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(以下、「専門委」)」の第3回目は、6月30日(木)に東京で開催されました。

※配布資料は、「中央環境審議会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会(第3回)の開催について」に掲載されています。

今回も前回に引き続き、関係者からの課題や意見のヒアリングでした。

今回のヒアリング先は
・一般社団法人 日本経済団体連合会
・公益社団法人 全国都市清掃会議
・愛知県
の3者でした。

以下、各関係者の意見主旨と、それに対する筆者の感想を記します。

一般社団法人日本経済団体連合会

経団連の意見主旨は、
「手続きの効率化」「広域的、効率的な処理の推進」、「優良産廃処理業者認定制度の改善」、「企業が分社化した場合の取扱い」の4点でした。

いずれも、経団連の規制改革要望や規制改革会議への提言で言及されている内容であり、初見の目新しいテーマはありませんでした。

良く言えば安定感のある、率直に申し上げるならば事務手続きに関する些末な要望が多いという印象でした。

一例として、
「広域的、効率的な処理の推進」の中で、「広域認定の申請手続きの効率化」として、「環境省側の審査の迅速化」が要望されていました。

これ、事実そのとおりで、地方環境事務所と環境省本省で同じ申請書を二度審査しますので、大変に時間が掛かる手続きとなっています。

国民や事業者の立場としては、「もっと早く審査せよ」と言いたくなるのは山々ですが、
その一方で、近年広域認定の申請が増えているという現状もあります。

申請が増えているからと言って、それだけの理由で役人の数を増やすわけにもいきませんので、必然的に担当官の事務負担量が年々増えていくことになります。

申請が増える一方で、それを処理する担当官の余裕はどんどん減っていく以上、審査期間がそれだけ長くなっていくのも無理ありません。

申請書の同じ部分を二回審査をするのは無駄であるのは間違いありませんが、
広域認定の権限が環境省本省にある以上、本省もゼロベースで審査をせざるを得ないようです。

要望ベースで改善できるとは思えない、役人の全体配置バランスという構造的な問題です。

あと、「企業が分社化した場合の取扱い」については、専門委の各委員から異論というか、鋭いツッコミが入れられておりました。

「業許可を取るのが大変だから、企業グループ全体を自ら処理とみなしてくれというのは本末転倒ではないか?業許可の取得可否を検討した上で分社化するのが筋なのでは?」という至極まっとうな指摘です。

それに対する経団連の事務方の答弁は、
「分社化は総合的な経営判断ですので、業許可の特例としてみなしてほしい」というものでした。

議論がかみ合ってない気もしますが、経団連としては、規制を緩和して欲しいという一念につきますので、要望の正当性を主張させるのは酷なのかもしれません。

しかしながら、たしか昨年度の規制改革会議では、「環境省と経団連で詳細を検討」となっていたはずですが、今回のヒアリング資料を見る限り、検討した様子がうかがえませんでした。

水面下で検討を進めながら、専門委の報告書にヌルッと盛り込む予定なのでしょうか?

公益社団法人全国都市清掃会議

全市町村の約半分が加入する公益社団法人です。

惜しむらくは、資料を45pを作ってしまった結果、15分間という説明時間内ですべてを語り尽くせていないという印象です。

要望という面はほとんどなく、現状の課題を整理したというところでしょうか。

ただし、実務者としての、なかなかに渋い指摘が随所にまとめられています。

一例として、
p20の「環境保全、適正処理の観点から、支障を生ずる恐れがある場合などは、当然規制が必要であり、場合によっては規制を強化していくことも必要」や、
p26の「市町村の災害廃棄物処理計画の課題」等に、個人的関心が湧きました。

最後に、大塚部会長から「一般廃棄物処理業の業団体にもヒアリングをしてはどうか?」という提言があり、次回以降の専門委でその機会が設けられることになりました。

愛知県

愛知県にヒアリングする理由としては、ダイコー事件しかありません(苦笑)。

専門委員として参加している東京都の方には、同じ地方自治体職員として鋭いツッコミを入れていただきたかったのですが、公開処刑をするのは忍びないと思ったのか、「ダイコーの排出事業者にはどのような指導をしたのか」という、当たり障りのない質問しかされませんでした。

その代わりに、他の委員から「改善命令を履行させられなくなるからといって許可取消を躊躇するのは、市民感覚からすると理解しがたい」という、極めて厳しい指摘がされていました。

具体的には、愛知県の資料のこの部分へのツッコミです。
aichi

(4)法に基づく指導
取消し処分を行うと、処理業者に対して発出した改善命令が無効となるとともに、処理業者が通知する「処理困難通知」が発出できなくなる。

の部分についてですが、

筆者も、「これは本当にそうなのか?」と、傍聴中に数度顔をしかめながら頭を傾げる仕儀となりました。

例えが極端かもしれませんが、自動車の運転中に人を死なせた人に対し、「被害者への賠償金を払わせねばならないので、その支払いが終わるまでは逮捕しない」と警察が言うでしょうか?

ペナルティはペナルティとして厳正に実行しなければ、罰則や行政処分が存在する意義も意味も無いことになります。

これは非常に興味深いテーマですので、機会があれば、改めて記事として取り上げたいと思います。

その他、意見陳述の際、「ダイコーに騙された」という被害者然とした発言をされていましたが、むしろそこは騙された不明を恥じるべきではないのかと思いました。

組織の保身や不作為の言い訳の作法を見ることができたという意味では、愛知県の意見陳述がもっとも血沸き肉躍るエンターテイメントでありました。

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ