一般廃棄物の処理状況(平成19年度実績)

環境省から、「一般廃棄物の処理状況(平成19年度実績)」が発表されました。

以下、環境省の発表から気になる部分を抜粋・転記します。

1.ごみの排出・処理状況
(1)ごみ排出の状況:ごみ総排出量、1人1日当たりのごみ排出量ともに減少。
・ごみ総排出量
5,082 万トン(前年度 5,202 万トン)[ 2.3 % 減 ]
・1人1日当たりのごみ排出量
1,089 グラム(前年度 1,115 グラム)[ 2.3 % 減 ]
(2)ごみ処理の状況:総資源化量・リサイクル率は着実に増加、最終処分量は前年比6.8%減少。
・総資源化量(再生利用量)
1,030 万トン(前年度 1,020 万トン)[ 1.0 % 増 ]
・中間処理による減量
3,412 万トン(前年度 3,505 万トン)
・最終処分量
635 万トン(前年度  681 万トン)[ 6.8 % 減 ]
・減量処理率
97.5 %  (前年度 97.5%)
・直接埋立率
2.5 %  (前年度 2.5%)
・リサイクル率
20.3 % (前年度 19.6%)[ 0.7 ポイント増 ]

2.ごみ焼却施設の状況:
* ごみ焼却施設の集約化により施設数は減少。1施設当たりの処理能力は微増。
* 発電設備を有する施設は全体の23.0%。総発電能力は増加。
(平成19年度末現在)
・施設数
1,285 施設  (前年度 1,301 施設) [ 1.4 % 減 ]
・処理能力
189,144 トン/日(前年度 190,015 トン/日)
・1施設当たりの処理能力
147 トン/日(前年度 146 トン/日)
・余熱利用を行う施設数
856 施設  (前年度 877 施設)
・発電設備を有する施設数
298 施設  (前年度 293 施設)  (全体の23.0%)
・総発電能力
1,604 千kW  (前年度 1,590 千kW) [ 0.8 % 増 ]

3.最終処分場の状況:
* 残余容量は平成10年度以降9年間続けて減少、最終処分場の数は平成8年度以降11年間続けて減少し、最終処分場の確保は引き続き厳しい状況。
* 最終処分量が減少していることから、残余年数は横ばい。
* 関東ブロック、中部ブロック等では、最終処分場の確保ができず、域外に廃棄物が流出し、最終処分が広域化。

(平成19年度末現在)
・残余容量
1億2,202 万m3(前年度 1億3,036 万m3)[6.4%減]
・残余年数
15.7 年     (前年度  15.6 年)

まず、1の一人当たりの一般廃棄物排出量が減少という点は、市民の間に、ごみ減量意識が浸透してきたということで朗報です。

「指定袋の導入」などにより、ごみ処理を有料化する自治体が増えているため、市民の意識とは関係なく、否応無しにごみ減量化をしなければならない背景があるのかもしれません。

最終処分量が6.8%減と大幅に減っていることにも、注目しなければなりません。

最終処分量が減った分、リサイクル量が増えたわけでもなさそうですので、埋立可能な最終処分場が枯渇しつつあるため、各自治体が必死に最終処分量を削減し始めた証なのかもしれません。

環境省の報道でも、「3」の部分で
最終処分場の残余年数((現在のペースで埋立を続けた場合に、最終処分場が満杯になるまでの年数))は、「15.7年」と書かれています。

地域によっては、自区内に最終処分場を有しない自治体があるため、そのような地域の場合は、最終処分場の残余年数が「0年」となり、他の地域に廃棄物の最終処分を頼むしかありません。

15.7年は日本全国を平均した結果です。

残余年数は、最終処分場の新設や、最終処分量の削減により、延びていくものですので、きっかり16年後に最終処分場が枯渇するということにはなりませんが、簡単には最終処分場を設置できない以上、どの地域にも等しくかかってくる問題でもあります。

順序が前後しましたが、「2」の「ごみ焼却施設」を見ると

焼却施設の統廃合が進み、焼却炉の数自体は前年より減少していることがわかります。
その一方で、焼却熱を利用した発電量は、1万4千kW増加しています。

低炭素社会にしていくためには、焼却熱の有効利用が不可欠となります。
発電能力のある焼却施設をもっと増設する必要があります。

結論
ごみ減量化の勢いを持続させながら、ごみの焼却熱を有効利用する取組みを今すぐ実施するべき!
と考えます。

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