産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和元年度)について

2021年1月8日に、環境省から「産業廃棄物の不法投棄等の状況(令和元年度)について」が発表されました。

環境省の発表内容によると、

1.令和元年度に新たに判明したと都道府県等から報告のあった不法投棄事案の件数は151件(前年度155件、-4件)、
不法投棄量は7.6万トン(前年度15.7万トン、-8.1万トン)

2.令和元年度に新たに判明したと都道府県等から報告のあった不適正処理事案の件数は140件(前年度148件、-8件)、
不適正処理量は5.6万トン(前年度5.2万トン、+0.4万トン)

3.令和元年度末における不法投棄等の残存事案として都道府県等から報告のあった件数は2,710件(前年度2,656件、+54件)、
残存量の合計は1,625.0万トン(同1,561.4万トン、+63.6万トン)  でした。

一見すると、イレギュラーなものを除くと、不法投棄量は低位安定しているように見えますが、本統計の集計対象は「1件あたり10トン以上の不法投棄」であるため、不法投棄の初期段階ともいえる小規模事案の実態は反映されていません。

日々の報道件数からすると、大規模事案よりも小規模事案に関する報道の方が多いため、不法投棄という現象自体が改善したとはとても思えません。

不法投棄実行者の内訳

令和元年度も、「投棄件数」の約半分は「排出事業者」が実行者でした。

しかし、「投棄量」別に見ると、「許可業者」が約3.7万トン(前年度は約6.4万トン)で全体の48.1%と、突出した割合となっています。

「許可業者」による不法投棄件数はわずか9件しかありませんでしたが、大規模不法投棄件数自体が減少しているため、その9件が例年よりも目立つ状況となってしまいました。

令和元年度は、例年の傾向とは打って変わり、全不法投棄量に占める建設廃棄物の不法投棄量が52.5%となりました。

前年度の平成30年度は、不法投棄量の95%が建設廃棄物でした。

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