養殖ワカメ不法投棄事件

読売オンライン ワカメ不法投棄常態化 から記事を一部抜粋・転載します。

 鳴門市の山中に養殖ワカメの茎や根などの廃棄物を大量に捨てたとして、北泊漁協と組合長(74)ら計12人が書類送検された廃棄物処理法違反事件。適正に処理してきた生産者がいる一方、一部漁師の間で、不法投棄が常態化していた。昨年の産地偽装に続く不祥事に、「鳴門わかめ」ブランドの信頼回復に向けて、また一つ新たな課題が浮上している。

色々な意味で「?」がつく事件及び報道です。

 「処分代を浮かすため、子どもの頃からやっていた。違法であることも知っていた」。3月15日に不法投棄の現行犯で逮捕された漁師(52)は県警の調べにこう話し、常態化していたことがうかがえる。

 事業系一般廃棄物は、廃棄物処理業者に依頼して有料で処分しなければならない。ある漁協関係者によると、個別に処理業者に頼むと、1生産者あたり年間20万~30万円かかるという。ほかにも養殖設備の更新などで年間30万円近くかかり、養殖ワカメの売上が年間100万円前後であることを考えると、ある漁師は「やっていけるはずない。生産者を潰すつもりか」と戸惑う。

違法と知りながら常態的に不法投棄をしていたということなので、かなり悪質です。

わずか70万円の利益を得たいがために、不法投棄を開き直るというのも本末転倒の話です。

記事の「戸惑う」という表現は、犯罪に対して阿(おもね)ったおかしな表現です。

悪いと知りながら犯罪をしていたアウトローに戸惑いなどないでしょう。

 しかし、費用を負担して適正に処分している生産者もいる。鳴門市北灘町の北灘漁協では、約20年前、近くの山中に捨てていたのを住民から注意されたのをきっかけに、1993年、県の補助を受け近くの粟田漁港内に敷地3800平方メートルにコンクリート製の埋め立て施設を作った。

 各生産者が廃棄したワカメの根などを集め、乾燥させた上で土をかぶせる。パワーショベルのリース代と運転手の人件費などを合わせた処分費用は、年間70万円。同漁協に所属する22業者で折半している。

1993年というと、平成5年になるので、当時は最終処分場を設置する際には、
「届出」ではなく、「許可」が必要になっていました。

ただし、1993年当時は、一般廃棄物の最終処分場の場合は、埋め立て面積が1,000平方メートル以上の処分場のみが設置許可の対象でした。

そのため、ワカメの最終処分場の埋め立て面積がわからないので、設置許可の対象となっていたのかどうかわかりません。

しかしながら、もし設置許可の対象となる施設であるならば、汚水の地下浸透などを防ぐ措置が必要なはずですが、
新聞記事をみる限りでは、素掘りの穴に土をかぶせる状態に近いように思えます。

コンクリートのみでは、汚水の地下浸透を防ぐことは不可能だからです。

もっとも、実際の埋立場は、地下浸透がしない措置が取られているのかもしれません。
または、市町村が設置をしたのかもしれません。

恐ろしい話ですが、当時の法律では、市町村が設置する最終処分場は、設置許可の取得が不要であったため、
非常に簡易な管理基準でしか運用されていないものが多数ありました。

維持管理コストがたったの70万円しかかかっていないことから、後者のケースではないかと思います。

ただし、法律的には合法な施設と思われますので、
漁港内に設置した処分場である以上、漁港関係者が問題を感じていないのならば、外野がとやかく言うべき話ではないのかもしれません。

漁業の素人的な感覚としては、最終処分場からの浸透水が、養殖をしている漁港に入り込むのは問題ではないかと思うのですが・・・

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