環境省による被災地でのアスベスト大気濃度調査

4月27日、環境省が被災地でのアスベスト大気濃度調査結果を発表しました。

アスベスト大気濃度調査に係る予備調査の結果について

調査対象とした地点は、下記のとおり

1.測定地点について

 宮城県、福島県、茨城県内の以下のいずれかの条件を満たす15地点を測定しました。 (被災地における試料採取日は4月13日~15日、18日)

・津波による被害が甚大な地点
・津波による被害がないものの、地震により建築物が倒壊・半壊している地点
・避難所の周辺
・がれき集積場

一番重要な、調査地点でのアスベスト大気濃度は、次のとおり

4.まとめ

 今回の調査結果において、アスベストを含有しているスレートが存在するがれき集積場においても、アスベスト濃度は、通常の一般大気環境とほぼ変わりませんでした。従って今回の調査において、アスベストはそれほど飛散していないと考えられます。しかし、福島県の測定地点の様に、他の測定地点と比較して総繊維数濃度が高いことから一般粉じんが相当程度飛散している場所もあると考えられます。従って、今後、被災地が乾燥していくことやがれき処理及び建築物等の解体作業が本格的に始まること等を考慮すると防じんマスクの着用の徹底が必要です。
 環境省においては、今まで防じんマスクの着用の周知を図ってきましたが、なお一層の周知を図るとともに、被災した住民等へのアスベストのばく露防止と被災した住民等が有する不安への対応を図るため、補正予算として計上しているアスベスト大気濃度調査に関して、委員会を設置するとともに、引き続きアスベストのモニタリングを実施することとしています。

ひとまずは、「めでたし めでたし」と言えますが、
震災発生後から1か月経過後のサンプリング調査ですので、その間にアスベストが飛散しつくした可能性はあります。

が、そんなことよりも、現状の廃棄物保管場所でアスベストが漂っていないことが重要です。

今後、保管場所から選別場所に移し、そこからさらに廃棄物処理を進めていくことになりますが、
選別以降の過程で、間違って石綿含有廃棄物を破砕してしまわないように気を付けたいところです。

現実問題として、被災地の処理現場で、石綿が含まれているスレートなどを100%抽出することはまず不可能です。

そんな機械技術はありませんし、目視で悠長に完全分別する余裕もないからです。

しかしながら、それでもできる限りの分別努力をすることが不可欠となります。

それと
アスベストの飛散の有無に関係なく、粉じんが漂いそうな場所では、極力防じんマスクを着用した方が良いと思われますので、環境省にはもう少しそこを強調していただきたかった!

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