株主も欠格要件の対象です

10年ほど前から知っている、ある産業廃棄物処理企業の許可が取り消されました。

許可取消の原因となったのは、不法投棄などではなく、出資者(株主)の道路交通法違反(懲役、執行猶予つき)でした。

役員の場合でも、常勤ではない役員の個人的犯罪は意識できないことが多いものですが、
単なる株主となると、さらに対処しにくいのが現実です。

1株でも持っていればその人は株主となりますが、
では、すべての株主が欠格要件の対象になるのでしょうか?

それとも、34%以上の出資者に限られるのでしょうか?

実は、廃棄物処理法では、欠格要件となる出資比率が明記されていません。

ただし、業許可の申請の際の添付書類としては、
「5%以上の出資者」の場合は、住民票などを添付する必要があります。

そのため、事実上、4%以下の出資者の場合は、欠格要件に該当するか否かの審査の対象にはなりません。

※しかしながら、仮に暴力団構成員などが4%の出資者となっていた場合は、「おそれ条項」が適用され、許可取消の対象になることがあります。
 これについては、また別の機会に。

では、5%程度の出資者の場合は、すべて欠格要件の対象者になるのかどうか。

前述したように、「5%だと即対象」となっているわけではありませんので、
このあたりの数値ラインは、事実上許可権者である自治体によって判断が異なるところです。

ただ、50%以上の大株主であるような場合は、ほとんどの自治体で欠格者として判断されることが多いと思います。

仕事柄、中小企業の経営者とお会いすることが多いのですが、
80歳以上の「会長」が「オーナー」としてふるまっている企業が多いものです。

その「オーナー」の方とお話しすると、
実務に携わっているわけではないため、廃棄物処理法その他の法律には無関心な方が多いと感じています。

零細企業の場合は、「オーナー」が絶対的に君臨していることが多いため、
事実上「オーナー」が生殺与奪の権限を一手に握っていることになります。

せめて、許可申請の際には、オーナーに欠格要件の該当性を確認し、
該当していないことを確かめたうえで、万全の許可申請に臨みたいところです。

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