昨日の記事の続き 富山高専の金抽出技術

中日新聞 純金2・13グラム エコな“採掘” 廃棄PC100台をリサイクル より記事を転載します。

 富山高専物質化学工学科の河合孝恵准教授が、学校で廃棄されたパソコンから金二・一三グラムを取り出すことに成功した。富山市本郷町の同校本郷キャンパスで十三日、“採掘”された純金を公開した。

 パソコンなどの基板には電気の伝導率を高め、さびを防止するために金メッキが使われている。基板を弱い酸性の液体につけて、金を除く金属を溶かし、金メッキをはがす方法を考案。さらに、ろ過と洗浄を繰り返して取り出す。二〇〇九年からリサイクルを始め、約百台から二・一三グラムの金を集めた。

 企業などが取り組む通常の金リサイクルでは、強い酸性の液体や水銀を使う。河合准教授の方法は手作業で基板を分解するため、時間がかかり、金の量も少ないが、手軽で環境汚染も少ないという。

 身近なものから簡単に高級品の金を取り出すことで、学生らに科学の魅力を知ってもらおうと実験したのがきっかけ。河合准教授は「学校単位での金のリサイクルは世界初の試み」と話し「今後は論文にまとめて、取り組みが多くの学校に広がれば」と意欲を見せている。

中日新聞の記事は、当ブログの 富山高等専門学校が金抽出の新技術を開発 で引用したNHKニュースとは違った角度で掘り下げられている内容でした。

昨日はブログで「採算性がありそう」と書きましたが、
中日新聞の記事では、「ろ過と洗浄を繰り返す」と書かれていますので、かなりの手間と時間がかかることがわかり、このままでは採算性が無さそうです。

とはいえ、王水のような強酸性の薬剤ではなく、弱酸性の薬剤で金の剥離(?)ができるというのは、コロンブスの卵的な新たな発見と言えるのではないでしょうか。

基盤を外すまでが人力で、その後の工程は機械化すれば、集荷力次第ではやはり十分な収益性がありそうです。

ただ、Windows95時代のPCなら金がかなり含まれているそうですが、最近のWindows7あたりになると、かなり金の使用量が少ないそうです。

そのため、時間が経つにつれ、PC内の金の含有量が減っていくことになりますので、事業的に考えると、やはり継続は難しいと言えそうです。

この技術単独では、開発者が言われているとおり「学校内での実験」に止まりますが、
他の技術の開発のきっかけになり得る、非常に重要な実験結果だと思います。

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