業許可の更新は恣意的に行えない

日本経済新聞 千葉県、野田市内の産廃施設の継続許可 市は国に申し立てへ から記事を転載します。

 千葉県は20日、野田市内で産廃処理施設を運営する柏廃材処理センター(柏市、伊沢幸雄社長)に処分業者としての営業許可を更新したと発表した。同センターの周辺では健康被害を訴える住民が多いとして、野田市は許可を更新しないよう県に要請していた。今回の決定を受け、同市は国の公害等調整委員会へ申し立てする方針を明らかにした。

 柏廃材処理センターは野田市内の産廃処理施設で汚泥や廃プラ、木くずなどを1日当たり90トン処理している。07年から営業を開始したが、周辺住民から「悪臭がする」「鼻水や目がかゆい」などの苦情が県や市に寄せられていた。

 県は市と共同で、10~11年に工場周辺で揮発性有機化合物(VOC)の有無を調べるなどの環境調査を行ったが、県は「産廃施設が健康被害の原因とは断定できない」(県廃棄物指導課)と判断。5年ごとの更新が必要となる産廃施設の営業許可を認めた。

 県は今回の更新にあたって、来年1月から1年間かけて工場やその周辺でVOC調査をして健康被害の原因を詳しく調べるほか、同施設の運用基準を厳しくした。

 ただ、野田市の根本崇市長は同日「多くの市民が健康被害を感じる中、県は県民の声に応えようとしていない」と県の決定を批判。「県の対応があてにできない」として、被害を訴える市民を通じて、国が環境被害を調べる公害等調整委員会に紛争処理を依頼する方針を示した。

結論から先に書くと、許可要件を満たした申請である以上、必ず更新許可をしなければなりません。

従って、記事を見る限りでは、千葉県がした更新許可は適法適正なものと言わざるを得ません。

逆に、もし千葉県が、「近隣住民に健康被害が出ているので、おたくが原因じゃないかもしれんが、更新許可しない」などと言ってしまうと、それこそ違法な公権力の行使になってしまいます。

焼却炉と健康被害の因果関係がはっきりしない以上、手続き的には更新許可しか考えられません。

柏廃材処理センター の施設や事業内容を承知していないので、住民の訴える健康被害が、柏廃材処理センターに起因するものかは判断できませんが、

※2012.1.21 筆者追記
野田市民の方から、最初掲載していた地図は柏市の本社のものであるとのご指摘をいただきました。
ご指摘のとおり、柏市の地図を勘違いして掲載しておりましたので、野田市内の事業所の方をリンクしておきます。

大変失礼いたしました。ご指摘感謝いたします。

Gooogleマップで、施設と団地との位置関係を見ると、

大きな地図で見る

住宅団地と比較的近い距離にある焼却炉のようです。

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