エディオンが家電リサイクル事業に参入

連休突入前の記事になりますが、ビックカメラによるコジマ買収など、家電業界をめぐる業界再編の動きが活発化してきましたので、ご紹介します。

産経ニュース 家電量販大手のエディオン、リサイクル事業に参入 から記事を抜粋して転載。

 家電量販大手のエディオンが、使用済みの家電製品から銅やレアメタル(希少金属)などを取り出して再資源化するリサイクル事業への参入を計画していることが28日、分かった。広島県内にリサイクル工場を建設する方針で、量販店がリサイクル分野に乗り出すのは異例。薄型テレビなどの価格下落で量販店は収益の確保が難しくなってきているため、リサイクル事業を新たな柱として育成する。

 エディオンは、広島県福山市内にリサイクル工場を建設する方向で調整を進めており、数年後の稼働を目指すとみられる。工場では収集した使用済み家電製品から素材を取り出し、良質の金や銅、レアメタルなどに変えて再利用する。

 家電業界では、地上デジタル放送の完全移行に伴う買い替え特需の反動でテレビ販売が低迷。商品の差別化が難しい家電量販店では厳しい経営を強いられているため、新たな生き残り策として「リサイクルなどの環境ビジネスは有望」(関係者)としている。

具体的なリサイクル事業方針については、日本経済新聞の方が詳しく書かれています。

日本経済新聞 エディオン、家電リサイクルに参入 希少金属など回収へ

 新会社はイー・アール・ジャパン(広島市)で資本金は1億円。エディオンが55%、非鉄金属類の回収やOA機器の処理を手がける木村メタル産業(愛知県小牧市)が30%、三井物産が15%を出資してこのほど設立した。今後、回収できる金属の種類や処理量を勘案したうえで広島県福山市に工場を建設する。エディオンが現在回収している家電の約8割をリサイクル処理したい考え。

 エディオン本体で手がけている、パソコンや携帯電話など情報通信機器の中古品を扱うリユース事業を6月をメドに新会社に移管する。現在のリユース事業の担当者に加えて新たに地元から数十人規模で社員を採用する。

両紙ともに、新規事業の展開を好意的に受け止めている感じですが、社会貢献ではなく、営利事業としては採算性に疑問符が生じます。

家電リサイクル法対象製品については、各家電メーカーがリサイクル事業を行っているところですが、
リサイクル事業が黒字になっているところはありません。

そこへ新たに数十人規模の雇用を伴う投資をするということは、少しばかり無謀な行動に見えます。

「小型家電リサイクル法」の制定をにらんだ先行投資という意味合いもありそうです。

事業化のカギを握るのは、家電の発生量と、それを運搬・処理するためのコストの最適化になります。

数十人規模の人件費を捻出し続けるためには、常時大量のリサイクル品を取り扱う必要があります。

また、エディオンはレアメタルを売却するしかないため、レアメタルの市況によっても収益が大きく左右されます。

高く売れるものだけをリサイクルするわけにもいきません。

エディオンがどうやって黒字化を図っていくのかを注視していきたいと思います。

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コメント

  1. 志村 幸一 より:

    家電リサイクル法には違反しませんか????
    家電4品目>>テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンに付いてもリサイクル券なしで対応かのうですか????
    法律の抜け道ですか??????
    教えてください。
    家電リサイクル法で処理しているのは、馬鹿なのか??????

  2. 尾上雅典 より:

    志村 幸一 様 コメントいただき、ありがとうございました。

    エディオンさんの場合は、家電リサイクル法の対象ではなく、「小型電子機器リサイクル法」対象品目を取り扱うようです。

    ご指摘のとおり、テレビや冷蔵庫などの家電リサイクル法対象製品は、家電リサイクル法に則ってリサイクルしなければなりませんが、
    今回は新たに制定された法律に基づき、テレビや冷蔵庫以外の小型家電製品をリサイクルするものだと思われます。


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