廃タイヤのリサイクル状況

日本自動車タイヤ協会より、2011年廃タイヤ(使用済みタイヤ)リサイクル状況 が発表されました。

1. 発生量
2011年(1~12月)の廃タイヤ(使用済みタイヤ)発生量は、「タイヤ取替え時」「廃車時」を合計すると、本数で9200万本、重量で99万8000トンとなり、前年と比較すると本数では200万本減少、重量では1000トン増加した。
(1) タイヤ取替え時
「タイヤ取替え時」の発生量は本数で8000万本と前年に比べ400万本増加、重量では88万2000トンと4万7000トン増加した。
これは東日本大震災の復興需要等の影響により、新品タイヤの販売量が前年に比べ増加した結果と考えられる。
(2) 廃車時
「廃車時」の発生量は、本数では1200万本と前年に比べ600万本減少、重量では11万7000トンと4万5000トン減少した。
これはエコカー減税・補助金終了の反動等により廃車台数が減少した結果と考えられる。
2.リサイクル状況
近年は原油価格及び石炭価格の上昇等を背景に代替燃料としての需要が旺盛で、2008年頃から製紙会社等の利用先では海外からもタイヤチップを輸入しており、その量は年々増加しているなど、依然として廃タイヤが不足している状態が続いている。
しかしながら、東日本大震災により製紙会社の稼動が一時停止したこと等が影響し、リサイクル量は前年比で減少、2011 年のリサイクル利用量は合計で90万トン、リサイクル率は前年から1ポイント減の90%となった。

東日本大震災の発生と、エコカー減税の終了の影響がそれぞれ相殺しあい、結果的には2010年よりも回収量が200万本減少したとのことです。

エコカー減税で無理矢理消費を喚起した結果ですから、それも当然ということになります。

リサイクル率が90%という非常に高い割合を示していることにも要注目です。

代替燃料として、タイヤのカット品が有価物として流通している状況を表しています。

ブログには引用していませんが、上掲の日本自動車タイヤ協会のURLでは、不法投棄されたタイヤの統計も公表されています。

それによると、タイヤを違法に集積させた不法集積が33,669トン、タイヤの不法投棄が5,008トンもあったそうです。

加工すれば資源になるタイヤですが、容量がかさばることが災いし、中間処理施設に運び込まれることなく、各地で厄介者となることも多いようですね。

問題の解決のためには、消費者が処理費を負担することを受容するしかなさそうです。

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