シップリサイクルの進展

室蘭民報ニュース シップリサイクル室蘭「NPO化」始動、18日シンポ開催

 安全で環境に優しい船舶解体事業の室蘭港での実施を目指す産学官連携団体「シップリサイクル室蘭」(理事長・清水一道室蘭工業大学教授)の法人登記が昨年末に完了。正式にNPO法人として発足した。18日には活動の第1弾となる国際シンポジウムを室蘭市内で開催。平成28年度事業化に向けた取り組みが本格始動する。

 シップリサイクル室蘭は、室蘭シップリサイクル研究会(20年4月~昨年8月)の研究活動をベースにして昨年9月に設立。12月19日に道からNPO法人設立認証を受け、同26日に札幌法務局室蘭支局へ登記を完了させた。現在、道内外の解体、産廃、運送業者ら三十数団体・個人会員で構成している。

 最初の活動となる「シップリサイクル国際シンポジウムin室蘭」は、18日午後1時半から輪西町の市民会館で開かれる。参加無料。

 第1部は基調講演。国土交通省海事局船舶産業課の大坪新一郎国際業務室長が「国際動向」、清水理事長が「室蘭プロジェクトの今後」、バングラデシュ・チッタゴン大学のイフティカール・チョドリ教授が「バングラデシュの動向」についてそれぞれ解説する。

 第2部はパネルディスカッション。清水理事長がコーディネーターを務め、大坪室長、日本海洋科学海外事業グループの仲條靖男計画部長、日本海事協会研究開発推進室の平田純一主管、室蘭市経済部の池田重一部長が意見を交わし合う。

 清水理事長は「安全で環境に配慮した船舶解体を定めたシップリサイクル国際条約が28年にも批准される見通しであり、この年までに室蘭港での事業化のめどを付ける。産学官民の総力を結集して、世界最先端のリサイクルシステムをこの地に構築します」と話している。

室蘭の他にも、青森県八戸市や愛媛県新居浜市などでシップリサイクルの実証研究が進んでいることについては、当ブログでも何度か触れたところです。

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シップリサイクル条約はビジネスチャンスを生むか?

現在はバングラデシュなどで、安価な労働力、つまり人手に頼った船舶解体が中心となっているようですが、環境汚染や労働事故の防止の観点からは、日本がリーダーシップを取れる分野だろうと思います。

記事の最後に載せられている、「室蘭で世界最先端のリサイクルシステムを構築」を実現するまでには色々な課題があるでしょうが、実現する可能性が極めて高いと思います。

素人の推量としては、その課題とは、「リサイクルコストをいかに低く抑えるか」、「解体後の部材の価値を最大化する解体手法の確立」などでしょうか。

実証研究が進むご当地の新聞以外ではほとんど報道されていませんが、国家戦略としても、日本はもっとシップリサイクル条約に対して注力しても良いように思います。

是非参加したいシンポジウムですが、さすがに室蘭には足を延ばしにくいので、参加を断念しました・・・

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