東海地域の自治体の小型家電リサイクルへの参加見込み

3月27日付 中日新聞 東海の自治体、参加低調 小型家電リサイクル制度

 使用済みの携帯電話やパソコンなど小型家電を市町村が回収し、中に含まれるレアメタル(希少金属)などを再資源化する制度を定めた「小型家電リサイクル法」が4月から施行される。参加の意向を示した東海3県の自治体は、125市町村のうち、46市町村の37%。これまで捨てられていた資源を有効活用するのが狙いだが、制度は義務ではなく、開始時期もまちまちで、制度の周知がリサイクル推進の鍵になりそうだ。

 制度では、テレビなど家電リサイクル法の対象4品目を除くほとんどの使用済み小型家電を市町村が回収し、国の認定を受けた事業者に引き渡す。その後、専門業者が金、パラジウムなど16種類を取り出す。作業にかかる費用は認定事業者が再資源化した金属を売ったお金でまかなう。

 制度は、処理を担う事業者の認定は4月以降で、どの業者が参入するかはっきりしないため、多くの自治体が様子見しているのが現状だ。

 三重県の29市町のうち、実施の意向を示しているのは15市町。

 岐阜県の42市町村のうち、意向を示しているのは13市町村。県廃棄物対策課は「事業者や扱ってもらえる品目、取り出した金属の販売価格が決まらなければ自治体も動きようがない」と話す。県は認定事業者が出そろう夏以降、環境省の担当者を招いた市町村向けの説明会を開き、導入促進をはかる。

 愛知県(54市町村)で実施の意向を示しているのは18市町。消極的な自治体が多いのは、専用の回収箱を置いたり、新たに収集日を設けたり、負担が増えるためで「小型家電は品目も多く、リサイクルをする手間がかかる。自治体にとってはこれまで通り不燃物で回収した方が楽だし、人件費などもかかる」と県の担当者。

各自治体が様子見をするのは無理からぬことですが、三重県内の市町の約半数が小型家電リサイクルに参加という点に注目する必要があります。

三重県の根回しが功を奏したのか、それとも三重県にある企業がリサイクル事業者認定を目指し、地道に自治体を説き伏せたのか
いずれにせよ、スタートから半数以上の自治体が参加する予定というのは幸先の良い話です。

最近はレアアースから他の材料への代替が進むなど、製造資源をめぐる変化は非常に激しく起こっています。

レアメタルについても同様の変化が起こるのは間違いありませんので、手間とコストをかけて廃棄物を回収し続けることが未来永劫最善とは言えないだろうと思います。

特に、世界市場と連動して価格が激しく変動する物質については、1年契約で回収単価を定める方式では、市場の環境変化に対応できなくなります。

そのリスクを誰が負うのか?

リサイクル事業者かもしれませんし、
契約単価と市場での売却価格がかい離した場合は、事業者が小型家電の引き取りを拒否し、市町村がそのリスクを背負わねばならなくなるかもしれません。

小型家電リサイクル法施行規則第14条には、事業者が市町村からの引取を拒否できるケースとして、

三 当該使用済小型電子機器等の引取りの条件が使用済小型電子機器等に係る通常の取引の条件と著しく異なるものであること。

という規定がありますので、上記のような場合は、この規定、すなわち正当な引取拒否事由に該当すると考えられるからです。

小型家電リサイクル法は、強制ではなく推奨として、柔軟な制度設計のように思われていますが、市場の実態とかい離しているという意味では、他の個別リサイクル法と大差ありません。
制度が動き始めた後で、この問題が各地で現れてくるものと思われます。

 一方で、岐阜市は3月から使用済み携帯電話の試験回収を始めた。予想を10倍上回るペースで集まり、月末には1000台を超える見込み。回収した電話機はデータ流出を防ぐため職員が一つ一つ粉砕している。

試験回収の段階ですが、一つ一つの携帯を公務員が粉砕するというのは非常に高コストな処理になります。

データは廃棄者自身の責任で消去するなどの当たり前のことを、住民にも徹底させることが必要不可欠だと思います。

紙を廃棄する際には個人情報にそれほど頓着しないのに、数字の羅列が大半のデジタルデータには必要以上に神経質になるというのは、いささか合理性に欠ける反応ではないでしょうか。

最近では携帯電話に対し、マンションなどの不動産の販売営業がかけられるようになりましたので、その気持ちもわからなくはないですが(苦笑)。

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