施工不良か、それとも単なる責任転嫁か

2013/10/23 17:10 日本経済新聞 山梨県の明野処分場、施工5社が補修を拒否 県が賠償提訴へ

 山梨県の横内正明知事は23日、県の外郭団体が北杜市明野地区に整備した廃棄物処理場の補修を前田建設工業など施工会社5社に求めていた問題で、5社が補修を拒否したことを明らかにした。県は賠償請求訴訟を起こす構えだ。

 補修を求めていた5社は県によると、前田建設のほか、植野興業(甲州市)、風間建設(笛吹市)、鈴健興業(同)、峡北建設(北杜市)。明野処分場は2012年12月に漏水の恐れがある警報が出たため廃棄物の搬入を停止。県は施工不良が原因として搬入済みの廃棄物を撤去して遮水シートに敷設された漏水警報システムの取り換えなどを求めていた。

 同処分場は10年にも漏水の恐れがある警報が出たため廃棄物の搬入を停止。県は5社のうち4社に施工不良による賠償を求める訴訟をすでに起こしている。

記事だけを読むと、建設会社の施工不良により、最終処分場が操業できなくなったという印象を受けますが、
実際のところは、最終処分需要を過大に見積もるなど、開業当初からほぼ開店休業状態の最終処分場でした。

さらに悪いことに、開業後も地元住民から産業廃棄物の受入中止を求める強烈な反対運動が起こされ、操業の継続自体が困難になっている施設です。

工事の発注条件や、遮水シートの性能保証などの詳細がわからないため、山梨県の主張が正しい可能性も(わずかながら)あります。

しかしながら、一般的な管理型最終処分場の工事条件からすると、埋立開始後に、

施工不良が原因として搬入済みの廃棄物を撤去して遮水シートに敷設された漏水警報システムの取り換え

を求められても、過大な経費が掛かるのは明らかですから、施工業者に明らかな過失が無い限り、そのような条件は呑めないのが普通です。

絶対に破れない遮水シート!」と、性能保証をしたのでもない限り、
埋立開始後のリスクまでを施工業者に負担させるのは酷と言わざるを得ません。

山梨県としては、「事態打開のために動いている姿勢を見せないことには住民に対して説明がつかない」という一心で、損害賠償請求をしたのだろうと思いますが、無駄なあがきにならなければ良いのですが・・・

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