Good Job! 警視庁

ありふれた一般廃棄物の無許可営業事件ではありますが、「騒音の苦情」を端緒としながらも、無許可営業で逮捕というのは非常に珍しいケースであろうと思います。

2017年5月26日付 産経ニュース 「軽トラにスピーカー 無許可廃品回収容疑の業者摘発 警視庁
※容疑者の氏名・住所は省略、それに伴い、筆者が記事中の表現を若干変更。

 無許可で廃品回収したとして、警視庁月島署は廃棄物処理法違反容疑で、リサイクル業「オールマイティー」(横浜市)社長(43)ら男3人を逮捕、法人としての同社を書類送検した。同署によると社長ら2人は「金もうけのためだった」などと容疑を認め、1人は留保している。

 同社は軽トラックで住宅街を巡回するなどし、スピーカーで廃品回収を呼びかけていた。回収時に料金をとったりインターネットで転売したりするなどし、平成27年4月から昨年12月までに、1億円以上の売り上げがあったとみられる。

 逮捕容疑は、一般廃棄物の収集運搬業の許可を受けずに、昨年12月から今年1月の間、北区や新宿区の住民から電子レンジやテレビなどを計3万9千円で収集し、同社の倉庫に運搬したとしている。

 通常、一般廃棄物収集運搬は自治体が委託した業者にだけ許可が出る。スピーカーで呼びかけながら営業している業者のほとんどは違法営業とみられ、警視庁が警戒している。スピーカー音の苦情が月島署にあり、同署が捜査していた。

廃棄物処理業の無許可営業はれっきとした犯罪ですが、市民からの苦情をきっかけとして、忙しい警察が迅速に無許可業者を逮捕という事態は、ありそうでなかなか無いことです。

野外焼却(野焼き)による逮捕は、現在では一般的になりましたが、無許可営業は、野外焼却と同様の廃棄物処理法第25条違反ですので、無許可業者がスピーカーで堂々と宣伝ができていること自体がおかしいと言えます。

一般常識から外れた感じ方かもしれませんが、個人的には、
無許可業者による大音量のスピーカーを用いた廃棄物の回収宣伝を放置することは、公道での麻薬の販売を黙認するのと同じように思えて仕方がありません。

警視庁のような対応が全国に広まれば、無許可営業は一気に激減するものと思われます。

もっとも、焼却を現認した時点で逮捕が可能な野外焼却とは異なり、無許可営業の場合は、市民から処理料金を収受した瞬間を捕らえなければならないという制約がありますので、無許可営業事件を捜査する上で、捜査当局に相当な負荷が掛かるのも事実です。

蛇足ですが、、
記事中の「通常、一般廃棄物収集運搬は自治体が委託した業者にだけ許可が出る。」という表現は誤りですね。

地方自治体が一般廃棄物の回収や運搬を民間事業者に委託する場合は、受託者である事業者には、一般廃棄物収集運搬業の許可は必要ありませんので。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ