廃棄物の転売防止策

当ブログ 2023年2月16日付記事 「刀剣乱舞グッズ流出事件」で触れた、「廃棄物の転売防止策」について詳述していきます。

結論から言うと、その方法は2つしかありません。

その手法とは、「換金価値を無くす」ことと、「排出事業者自身が処分完了を見届ける」ことの2つです。

換金価値を無くす

転売される廃棄物は、換金価値が有る、言い換えると「高値を付けてでも購入したい」というファンがいて初めて成立する存在ですので、「誰も欲しがらない状態になるまで毀損」させれば、転売される可能性を排除できます。

「刀剣乱舞グッズ流出事件」で流出した「コースター」を例にすると、
「キャラクターの顔のど真ん中に大きな穴を開ける」
「コースターに汚い着色をする」
と、ファンにとっては無慈悲な毀損をすればするほど、換金価値は乏しくなっていきます。

しかしながら、人間の価値観は人それぞれですので、忍耐と寛容を兼ね備えたファンであれば、「汚い着色」程度の毀損だと、「ちょっと色が付いた程度なら買うわ!」と、食指が動く可能性があります。

また、毀損を念入りに行えば行うほど、排出事業者自身に手間とコストが掛かることになりますので、どこまで手を掛けるべきかという問題もあります。

製品を壊す「物理的な毀損」の場合、「製品の端っこをハサミで切り取る」だけの簡易な方法だと、換金価値は相変わらず高いままとなりますので、ファンがひくレベルの無慈悲な破壊でなければなりません。

「ホモサピエンス」を相手にする場合、「換金価値」という象徴的、かつ主観的な感覚に訴えれば良いことになりますので、「悪臭を付与する」ことも有効な手法と言えます。

昔、楠木正成が赤坂城で籠城した際、山城に攻め上ってきた鎌倉幕府軍に熱湯やウ●チを浴びせかけ、猛攻を防ぎきった故事を思い出しましたが、「汚物」という定義が廃棄物処理法にはありますので、悪臭付与の具体策については自粛します。

排出事業者自身が処分完了を見届ける

排出事業者自身が「換金価値を無くす」ことは意外と大変です。

特に、委託する産業廃棄物の量が多ければ多いほど、すべての委託物に手を加えることが困難になります。
そうした場合に有効な手段は、「排出事業者自身が処分完了を見届ける」ことです。

「廃棄物の回収」から「中間処分場への搬入」に同行し、さらに、「中間処理施設への廃棄物の投入を見る」ことで、委託物が確実に処分されたことを担保できます。

気の利いた処理業者で「処分完了報告」をしてくれるところも多々ありますが、その報告の真偽については、あくまでも処理業者側の善意を信頼するしかありません。

「流出させられて一番困るのは誰か?」を考えると、それは「排出事業者」でしかありませんので、ブランド品や人気キャラクター商品等を廃棄する場合は、排出事業者自身の目で確認をすべきだと思います。

焼却の許可を持つ処理企業の方にうかがったことがありますが、
警察が麻薬その他の禁止薬物を処分委託する場合、焼却されたかどうかの確認を、警察官立ち会いの上で必ず行うそうです。

排出事業者の立会いや迅速な処分を依頼すると、中間処理業者の受注状況によっては作業や受入の手順変更等が生じるため、若干のコストアップ要因となる可能性がありますが、真っ当な中間処理業者であれば、条件さえ整えば、排出事業者の立会いを認めてくれるはずです。

まとめ

・小ロット、かつ容易に毀損可能な物の場合は、排出事業者自身で委託物をあらかじめ加工
・大量、あるいは絶対に流出させたくない物の場合は、排出事業者自身が中間処理場を訪れ、処分完了(=投入まで)を見届ける
とよろしいかと思います。

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