構内作業(平成5年3月31日付衛産36号より抜粋)

(施設の管理形態)
問26 排出事業者Aの設置した産業廃棄物処理施設において次の形で維持管理を行う場合、Aは処分業の許可が必要か。
(1) Aが他の者Bの人員を雇用してAが維持管理する場合
(2) AがBに当該施設を賃貸してBがBの人員を使用して維持管理する場合
答 (1)の場合は許可が不要であるが、(2)の場合はBが許可を必要とする。

※注釈
今日では、「規制改革通知」を思い浮かべる人の方が多いと思いますが、「構内での廃棄物処理を他者が行うことの可否」に関する疑義解釈です。

(1)の直接雇用という部分の解釈を広げ、排出事業者の処理責任が明確にできるのであればという条件付きで、直接雇用でなくとも良いとしたのが、「規制改革通知」の「第三 企業の分社化等に伴う雇用関係の変化に対応した廃棄物処理法上の取扱いの見直し」です。

しかしながら、実態としては、構内での廃棄物管理作業を、他者と労働者派遣契約を結んで、排出事業者が直接執行しているケースというのはほとんど無いように思います。

ほとんどの場合は、「請負契約」の形で以前から頼んでいた下請業者に委託をし、排出事業者は下請業者の従業員を直接指揮監督していないのではないでしょうか?

あるいは、「いや、ウチは下請さんの従業員に細かい指示をしている」と胸を張る方がいるかもしれませんが、労働者派遣契約を締結していない限り、そのような口出しは「偽装請負」となるので要注意ですね。

単なる「清掃」や「場内の整理整頓」を委託する場合は、「廃棄物処理委託」ではありませんので、通常の請負契約の概念どおりに行えば問題ありません。

今回の疑義解釈に該当する例を一つ挙げると、

ある製品の製造工場において発生する廃プラスチック類(包装)を、容量圧縮のため工場内で圧縮しているが、その圧縮作業を、製造事業者ではなく、下請業者に委託をしているような場合となります(下請業者とは労働者派遣契約を結んでいないものとします)。

この場合、圧縮機自体は製造事業者の所有物ではありますが、
廃プラスチック類の圧縮作業を、他者である下請業者に委託(請負契約)していることになりますので、
下請業者には産業廃棄物処理業許可が必要となります。

こうした状態の企業は現在でもかなり多いのではないでしょうか?

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