合わせ産業廃棄物処理に契約書は必要?

昨日の記事 使用済み紙おむつは産業廃棄物です では、合わせ産業廃棄物処理に関する誤解で不法投棄になってしまった事件を取り上げました。

facebookで、「合わせ産業廃棄物処理をする場合には委託契約書とマニフェストの扱いはどうなるのか?」というご質問をいただきましたので、今日のブログで取り上げたいと思います。

結論を先に書くと、市町村に産業廃棄物処理を頼む場合、
マニフェストの交付は不要ですが、委託契約書の作成は必要です。

マニフェストの交付が不要な理由

法第12条の3及び施行規則第8条の19で、市町村に委託をする場合は、マニフェストの交付不要と明記されているからです。

委託契約書の作成が必要な理由

しかし、委託契約書の作成については、上記のような義務の除外規定が存在しないため、たとえ市町村が相手であったとしても、委託契約書の作成が必要です。

さて、現実的には、マニフェストと委託契約書がどう取り扱われているかというと・・・

合わせ産業廃棄物処理では、産業廃棄物を一般廃棄物の回収場所に出すために、
「産業廃棄物ではなく一般廃棄物として処理した」と思う方が多いのですが、産業廃棄物が急に一般廃棄物に変化することはあり得ませんので、この理解は間違いです。

マニフェストは交付不要であるため、特に問題になっていないだけで、契約書の作成が無い以上は委託基準違反となります。

ただし、肝心の市町村が、合わせ産業廃棄物処理を公にしたがらないところも多いので、事実上委託契約書の作成が困難なことが多いと思います。

市町村は廃棄物処理をする側ですので、委託基準を守る義務はありません。
委託基準違反は、排出事業者のみにかかる義務です。

法的にはこのような整理になるのですが、
合わせ産業廃棄物処理によって、滞りなく廃棄物処理が進んでいる以上、
委託契約書がないからといって、それが問題視されることはほとんどないと言えるでしょう。

だから契約書を作らなくても良いと言いたいわけではないのですが。

もちろん、合わせ産業廃棄物処理をする自治体の中にも、ちゃんと委託契約書を作成しているところもたくさんあります。

最終処分場を設置している自治体の場合は、特にその傾向が顕著です。

手続きそのものよりも、合わせ産業廃棄物処理が各地で中止されていることを重視した方が良いと思います。

今まで無料、あるいは低額で出せていたものが、急に出せなくなった時にどう対処するか。

逮捕された病院理事長のように、法律や社会のせいにするのはいただけません。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ