現地確認≠立入検査(その1 現地確認の目的)

4冊目の本の執筆のため、ブログの更新が滞っております。

発想を転換し、
「執筆テーマの一部をブログで先に書くことで、読者の方に新著の概要を知っていただきつつ、ブログの記事をさらにブラッシュアップして本の原稿にリニューアルすれば良い」という素敵な着想に至りました(笑)。

ブログは日々発生する事件をライブ的に速報する媒体
書籍は伝えたいことを体系的にわかりやすくまとめたリファレンス用の媒体
と位置付けております。

そのため、ブログ記事をそのまま本の原稿としてコピー&ペーストすることはありませんので、本が刊行された折には是非お買い求めいただけると幸いです。

さて、前置きはこれくらいにして本題に入ります。

現地確認(法的な用語では「委託先処理業者の処理状況の確認」)の重要性については、読者の皆さんがご存知のとおりです。

しかしながら、「なぜ現地確認を行う必要があるか」という本質的な意味を正確に理解している企業は非常に少ないと考えています。

もちろん、何をもって「正しい」とするかは、個々の価値判断やルールで決まりますので、唯一無二の一つの方法があるわけではありません。

そこでまず、私が正しいと考える「現地確認の目的」を定義しておきます。

私は、現地確認を「信頼できる処理業者を見分けるための与信調査」として位置づけています。

そもそもは排出事業者にある「産業廃棄物の処理責任」を自社では履行できないために、外部のプロフェッショナル事業者に処理委託をします。

しかし、外部の事業者は産業廃棄物処理を行うだけであり、処理委託をしたからといって排出事業者が産業廃棄物処理責任を完全に免れることはできません。

ここが一般的な業務委託との違いで、
委託した産業廃棄物処理業務を処理業者が終えることができない場合は、排出事業者の責任で解決をしなければなりません。

そのため、「信頼できる(=安全確実に産業廃棄物を処理してくれる)」処理業者とそうではないところを見分けることが重要なのです。

「不適正処理を行った処理業者に許可を出した行政が悪い」のではなく、
「処理業者の不審な点が見抜けなかった委託者が悪い」のです。

これは道徳や価値観に基づく判断ではなく、法的な責任が誰にあるかという実務的な問題です。

(次回に続く)

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