建設廃棄物処理と工期の関係

「建設工事の工期と、建設廃棄物処理委託契約の契約期間は同一である必要はあるのでしょうか?」という質問をいただきました。

頻繁ではありませんが、このテーマの質問は定期的にいただきます。

結論を先に書くと、

建設工事の工期と産業廃棄物処理委託契約の契約期間は一致する必要はありません」となります。

その理由は、下記の2点になります。

理由1

廃棄物処理法は、委託契約書の法定記載事項として、「建設工事の工期」等は定めていない。

もちろん、産業廃棄物処理委託契約の期間は法定記載事項ですが、
建設廃棄物が発生する建設工事の期間は、産業廃棄物処理委託契約書の法定記載事項ではない以上、行政当局が立入検査等で契約期間の妥当性を調査することは、ほぼ有り得ないと言えます。

もっとも、工期が「2018年1月から2月」であるところ、産業廃棄物処理委託契約の期間が「2020年1月から12月」などという、工期と大幅にずれる契約期間を設定する合理的な理由は見当たりませんので、そうした極端な逸脱事例は除外して考える必要があります。

理由2

建設工事が終わった後に、建設廃棄物が発生する(より正確に言うならば、現場から搬出される)ことが有り得るため、産業廃棄物処理委託契約の期間の方が工期よりも長くなってもおかしくはない。

おそらく、多くの人が悩む理由は、
「工期が終わった後に、建設廃棄物が適法に発生することは有り得るのか?」という疑問だと思います。

現場が狭小であることが多い建設工事においては、工事現場内に建設廃棄物を保管し続けることは困難であることが常ですが、次のような事例を考えていただくと、工期と廃棄物処理委託契約の期間が一致する必要が無いことをおわかりいただけると思います。

例:周囲2km四方に住居や建物がない広大な牧場にある牛小屋を解体する工事

このような場所においては、一連の解体工事がすべて終わった段階で、一カ所にまとめて保管していた廃棄物を一斉に搬出することも可能です。

この行為には違法性はまったくありません。

そして、この場合、解体工事の工期は終わっていますが、元請事業者は排出事業者として適切に処理委託契約を進めていくことになり、産業廃棄物処理委託契約の期間は、工期満了日以降になってもまったくおかしくありません。

あるいは、工事の完成検査で補修対象が見つかり、その場ですぐに補修をしたため、若干の廃棄物が発生した、という場合も、工期が終わった後に、適法に建設廃棄物が発生する状況となります。

以上のように、産業廃棄物処理委託契約の契約期間と工期が完全に一致する必要はまったくありませんので、
排出事業者責任を適切に果たすことのみを重視して、合理的な契約期間を設定していただければと思います。

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