「竹」を「木くず」とみなす判断事例(千葉県)

一つ前の記事 「「竹」は一般廃棄物か産業廃棄物か」をアップ後に、メールマガジンの読者の方から、感想と共に「竹」を産業廃棄物の「木くず」とみなす千葉県の判断事例をご紹介いただきました。

千葉県HP 「廃棄物として生じた「竹」は産業廃棄物か」

質問:廃棄物として生じた「竹」は産業廃棄物か

回答:県(筆者注:千葉県)では、廃棄物として生じた「竹」について、「木」ではなく「草本植物」であることから、従来、一般廃棄物として取り扱ってきました。
しかしながら、「竹」は一般的に10数メートルの高さに成長し、幹は堅い等、形状、性質が「木」とほぼ同等であること、また、昨今、「竹」は工作物の新築等に伴い多量に排出される例があることから、下記の事業活動に伴い廃棄物として生じた場合においては、産業廃棄物の「木くず」(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号)第2条第2号で規定する産業廃棄物の「木くず」に該当)として取り扱うこととしました。

1.建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)
2.木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業及び物品賃貸業に係るもの
3.貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの
4.ポリ塩化ビフェニルが染みこんだもの

※千葉市、船橋市及び柏市における取扱いについては、各市の判断となりますので御留意ください。

「素晴らしい!」の一言に尽きます。

環境省の判断待ちではなく、地方自治体独自の解釈を公表することには、そこそこの勇気が必要だったと思いますが、批判を恐れることなく、現実に即した法律解釈を明確に示したことを賞賛したいと思います。

真面目に考えてみると、
廃棄物処理法制定当時の立法担当者に、「木くず」から「竹」を除外する意図があったとは思えませんので、法律制定後半世紀を経た現在においてなお、「木」という文字にとらわれすぎる必要はないように思います。

仏教、キリスト教、イスラム教の世界3大宗教においては、最初の創始者が語った内容とされる経典がありますが、教勢拡大とともに、その経典の解釈を巡り、主流派と非主流派(異端)の分派が必ず起きています。

面白いことに、分派当時は異端、すなわち非主流派だった勢力が、時代の変遷と共に、活動地域によっては主流派に取って代わることがよくあります。

廃棄物処理「教」においては、いまのところは、「経典(条文)の記載を絶対視する」勢力が主流です(笑)。

が、「木」と「竹」を厳格に峻別する必要性は現実にはありませんので、「竹を木とみなした方が合理的なんじゃね?」という異端が徐々に芽生え初めた結果、やがては、現在の異端が将来の主流に、現在の主流が将来の異端へと転換する時が遠からず訪れるような気がしています。

あるいは、廃棄物処理教の信仰の対象は、経典ではなく、「条文」であるため、
条文を現実社会に即した内容に改正すれば、それまでと同様の信仰対象であり続けることが可能かもしれません。

私が廃棄物処理教団の総本山たる「環境省職員」であったならば、迷わず「施行令改正」を行い、総本山としての地位と権威をこれまでと同様に維持できるように動きます。

もっとも、現代の総本山は、総本山としての地位を逆に手放したいと思っている可能性もありますが(笑)。

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