小型家電リサイクル新法の制定予定
昨日は東京に出張し、中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会(第10回) を傍聴しておりました。
「小型電気電子機器リサイクル制度の在り方」の取りまとめとなる会合でしたが、パブリックコメントとほぼ同様の内容でしたので、詳細はパブリックコメント募集時の原案をご参照ください。
さて、肝心のこれからどうなるという話になりますが、
環境省の考えでは、廃棄物処理法の改正ではなく、平成24年度国会で新法の成立をもくろんでいるそうです。
リサイクル制度の詳細が決まっていないのに、いきなり法律を作るという荒業に出た環境省の蛮勇は賞賛したいと思います。
傍聴した委員会では、「柔軟な制度設計ができた」と環境省や委員の皆さんは自画自賛されていましたが、
柔軟過ぎて具体的なイメージができないところは、放射性物質汚染対処特措法を彷彿とさせます。
この制度の根本的な欠陥としては、家電製品の製造事業者の関与がないということです。
正確には、「易解体設計」や「再生材の利用」に努める、という関与はありますが、
これは今すぐ取り組まねばならないことであり、こんなものは義務でも何でもありません。
また、市中に眠っている小型家電を20%以上回収しないと黒字化できない制度ですが、
毎年毎年全国一律に20%以上の家電を回収できるとは到底思えません。
この制度単独で考えると、およそ実現性が乏しく、やる意義がない事業に思えます。
「金儲けできるかも?」という動機で設備投資をするのは止めておいた方が良いです。
ただし、直接的な金儲けではなく、自治体や市民との関係性を深めることを目的とするならば、話は変わってきます。
そうした企業にとっては、自治体との関係性を太くするきっかけにできる制度となることでしょう。
この新法ができた暁には、従来の個別リサイクル法以上に、事業に関わる事業者の経営理念や財務基盤の確かさが問われることになりそうです。
参考 NHKのTVニュース
小型家電 再利用新制度案まとまる
41秒から43秒にかけて私が小さく映っていますので、探してみてください(笑)。
« 地方自治体の法律認識の現状 秋田県大仙市が震災廃棄物の受入を表明 »
タグ
2012年1月31日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:法令改正