地方自治体の法律認識の現状

愛媛新聞 新居浜市三セク不法投棄で市長が陳謝 から記事を転載します。

 新居浜市の第三セクター「悠楽技」が昨年夏ごろ、複数回にわたり別子山の山中に家電や焼却灰を不法投棄していた問題で、同社社長を務める佐々木龍市長は28日、市役所で会見を開き、あらためて市民に陳謝した。ただ、管理職の関与の度合いについては「投棄の指示の有無をめぐり、(部下と上司の)言い分が食い違ったままだが、いずれにしろ管理職に責任がある。これ以上の追及は考えていない」と述べた。
 市の説明によると、2011年6~9月、臨時社員だった2人が大量の焼却灰やテレビ・蛍光灯などを住友林業所有地内や敷地内に投棄。11月に外部からの指摘で撤去したが、焼却灰は大半が川などに流出したという。
 同施設では長年にわたり、法律で禁じられたごみ焼却を問題発覚まで行っていたことも判明。会見に同席した三セク取締役の市幹部職員が施設内での焼却を黙認していたことを認めた。佐々木市長は「(これまでの焼却灰処理など)いろんな疑問点が出ている。過去のいきさつなど、再度確認したい」とした。
 また昨年12月末に退任した男性取締役(68)を今年1月から臨時社員とした再雇用について市長は「企業経営上の判断」とし、妥当性や自身の責任については「株主が判断すること。市行政と議会の問題になる」との認識を示した。

法人がTVの不法投棄や、不法焼却をしていたという、いまどき珍しい不適正処理事件ですが、
その法人が愛媛県新居浜市の第三セクターであったことが二重の驚きです。

新居浜市からの出向職員が不法焼却を黙認していたということですので、
行政として非常に重い過失があったと言わざるを得ません。

不法投棄や不法焼却は、通常なら逮捕されてもおかしくない重大な犯罪ですので、
市長の減給処分をはじめとする厳重な対処が必要と思われます。

今回の事件が新居浜市職員の無知にあったことは事実ですが、
個人的な過失として済ませてしまうのは危険です。

このあたりをいつもブログで書いている気がしますが、
非常に重要な注意点です。

官僚組織は「縦割り」と揶揄されるように、ともすれば自組織の利権を守ることのみに忠実となります。

その結果、他の組織が所管する法律や規制には得てして無関心になりがちです。

「不法投棄がいけない」というのは、幼稚園児でも知っている常識ですが、
大人は無意識に煙草を投げ捨てたりと、子供の規範意識を日々せっせと破壊しています。

今回の新居浜市の事件は、「これくらいなら」「見つからなければ問題ではない」という言い訳が繰り返された結果、
第三セクターの中では黙認されるほどのオフィシャルな行動様式になってしまいました。

組織の構成員が自発的に学ぶことを期待できないのであれば、
せめて廃棄物処理法の罰則くらいは、企業や自治体のすべてで研修するべきではないでしょうか。

廃棄物処理法は刑法並みに厳しい法律ですが、日本における知名度が著しく低い現実があります。

その意味では、廃棄物処理企業には、廃棄物処理法の普及啓発を図るという大義名分がありますので、
潜在顧客を一気に掘り起こすポテンシャルが眠っているとも言えます。

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