水銀廃棄物に関する施行規則改正のパブリックコメント

地味なタイトルですが、実務に影響が大きい施行規則改正を前提としたパブリックコメントの募集中です。

2016年10月11日付 環境省発表 「『廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令案』等に対する意見募集(パブリックコメント)について

意見募集期間は、

平成28年10月11日(火)~ 平成28年11月10日(木)

と、約1カ月間設けられていますが、実質的には、この原案のとおり施行規則が改正されるのが通例です。

パブリックコメントの対象は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」です。

改正(予定)項目を列挙しようかと思いましたが、全部で36項目もあるので断念しました。

36項目のうち、実務的に影響が大きいと考えられるテーマは下記の6つです。

  1. 廃水銀等の処理方法
  2. 廃水銀等処理施設の維持管理基準
  3. 水銀使用製品産業廃棄物の定義
  4. 水銀回収を義務付ける水銀使用製品産業廃棄物の対象及び水銀回収方法
  5. 契約書やマニフェストその他の法定記載事項の追加
  6. 産業廃棄物保管基準の追加

廃水銀の硫化施設や管理型最終処分場を有する企業の場合は、上記以外にも実務に影響する内容がありますので、省令案の詳細をご参照ください。

実務的にもっとも大きな影響が出そうなのは、上記の「3」の「水銀使用製品産業廃棄物の定義」です。

ここで定められた水銀使用製品産業廃棄物には、「6」の

保管の場所には、水銀使用製品産業廃棄物がその他の物と混合するおそれのないように、仕切りを設ける等必要な措置を講ずること

新たな保管基準が追加適用されることになります。

この保管基準自体はさして難しいものではありませんが、「水銀使用製品産業廃棄物」という新しい産業廃棄物の品目ができあがるため、その処理委託をする際には、契約書や委託先処理業者の許可内容他をよく確認する必要が生じます。

では肝心の「水銀使用製品産業廃棄物の定義」についでですが、ここはすべての追加候補を列挙しておきます。

(5) 水銀使用製品産業廃棄物の対象の指定(規則新設条項関係)
 改正令第6条第1項第1号ロにおいて、水銀又は水銀化合物が使用されている製品が産業廃棄物となったもののうち環境省令で定めるものを「水銀使用製品産業廃棄物」と定義し、通常の産業廃棄物の処理基準に加えて追加的な処理基準を課すこととしており、「水銀使用製品産業廃棄物」の対象を以下のとおり定めることとする。
・水銀による環境の汚染の防止に関する法律(平成27年法律第42号)第13条における「既存の用途に利用する水銀使用製品」及び「新用途水銀使用製品」のうち、以下1~3が産業廃棄物となったもの
1 以下の水銀使用製品
1) 水銀電池
2) 空気亜鉛電池
3) スイッチ及びリレー(水銀が目視で確認できるもの。)
4) 蛍光ランプ(冷陰極蛍光ランプ及び外部電極蛍光ランプを含む。)
5) HIDランプ(高輝度放電ランプ)
6) 放電ランプ(蛍光ランプ及びHIDランプを除く。)
7) 農薬
8) 気圧計
9) 湿度計
10) 液柱形圧力計
11) 弾性圧力計(ダイアフラム式のものに限る。)
12) 圧力伝送器(ダイアフラム式のものに限る。)
13) 真空計
14) ガラス製温度計
15) 水銀充満圧力式温度計
16) 水銀体温計
17) 水銀式血圧計
18) 温度定点セル
19) 顔料
20) 水銀ペレット及び水銀粉末
21) ボイラ(二流体サイクルに用いられるものに限る。)
22) 灯台の回転装置
23) 水銀抵抗原器
24) 周波数標準機
25) 参照電極
26) 握力計
27) 医薬品
28) 水銀の製剤
29) 塩化第一水銀の製剤
30) 塩化第二水銀の製剤
31) よう化第二水銀の製剤
32) 硝酸第一水銀の製剤
33) 硝酸第二水銀の製剤
34) チオシアン酸第二水銀の製剤
35) 酢酸フェニル水銀の製剤
2 1の製品を材料又は部品として用いて製造される水銀使用製品( 3)スイッチ及びリレー、4)蛍光ランプ、5)HIDランプ、6)放電ランプ、11)弾性圧力計、12)圧力伝送器、13)真空計、15)水銀充満圧力式温度計、又は24)周波数標準機を材料又は部品として用いて製造される水銀使用製品を除く。19)顔料が塗布された水銀使用製品を除く。)
※ 除外されている水銀使用製品についても、当該水銀使用製品に部品として用いられている水銀使用製品が取り出された場合には取り出された水銀使用製品が水銀使用製品産業廃棄物の対象となる。
3 1・2のほか、水銀又はその化合物が使用されていることが表示されている水銀使用製品

言わずもがなかもしれませんが、ほとんどすべての企業が排出事業者となり得るのは、

4) 蛍光ランプ(冷陰極蛍光ランプ及び外部電極蛍光ランプを含む。)

ですね。

改正される施行規則の施行は「平成29(2017)年10月1日から」ですが、来年の9月下旬に慌てて分別保管を周知しても遅すぎますので、現在から時間をかけて分別保管のルールを周知徹底する必要があります。

なお、廃水銀とは異なり、水銀使用製品産業廃棄物の具体的な処理方法自体は法令で規定されていませんので、処理業者の業許可や施設許可については、地方自治体が個別に判断していくことになります。

また、蛍光ランプ自体は、水銀回収の義務付け対象から外れる予定ですので、ばい焼設備での処理が義務付けられるわけではありません。

しかしながら、蛍光ランプをそのまま直接管理型最終処分場で埋立処分することもできず、事前に水銀が大気中に飛散流出させないための処理を中間処理業者に委託する必要が生じます。

以上のように、まだパブリックコメント募集の段階ではありますが、平成29年10月1日より、蛍光ランプの保管及び処理方法がより細かくなるのは確実です。

今回の記事で触れた内容以外にも、細々とした改正候補が挙げられていますので、15分程の時間を取っていただき、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令案」をご一読いただくことをお奨めします。

非才の私は、省令案の精読から記事完成まで1時間半も掛かりました(笑)。

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