有機ELテレビが家電リサイクル法の対象品目に追加される

ご紹介するのを忘れていた法令改正ニュースを更新しておきます。

2023年12月22日付 環境省 「「特定家庭用機器再商品化法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されました

1.「特定家庭用機器再商品化法施行令の一部を改正する政令」が、令和5年12月22日(金)に閣議決定されました。

2.本政令は、昨今出荷台数が増加している有機ELテレビを特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)の対象品目に加えるものです。

改正の背景・概要
 産業構造審議会・中央環境審議会による「家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書」(令和4年6月)を踏まえ、有機エレクトロルミネセンス式のテレビジョン受信機(有機ELテレビ)を家電リサイクル法の対象となる対象品目(特定家庭用機器)に追加するものです。

今後の予定
 公布:令和5年12月27日(水)
 施行:令和6年4月1日(月)

意見公募の結果について
 令和5年10月24日(火)から同年11月24日(金)まで、本改正案についての意見公募手続を実施しましたが、提出意見はございませんでした。

家電リサイクル法の回収対象である「テレビジョン受信機」の範囲に、「有機エレクトロルミネセンス式のテレビジョン受信機(有機ELテレビ)」を追加するという内容です。

施行は令和6(2024)年4月1日からです。

家電オタクではないので、有機ELテレビと液晶テレビの違いが理解できていませんでしたが、ソニーのHPでは、

有機ELテレビと液晶テレビの違い

有機ELテレビと液晶テレビの大きな違いは、発光の仕組みにあります。

先述したように、有機ELテレビは有機物が自ら発光する現象を利用して画面の明るさを調整しています。バックライトが無く完全な黒を実現できることから、コントラストの高い映像を描き出します。

一方で、液晶テレビはバックライトから放たれる光で画面の明るさを調整する仕組みになっています。
自発光の有機ELテレビに比べると、黒の沈みでは差が出てしまいますが、その分明るめの映像を映し出すのに長けています。

また、有機ELテレビはバックライト不要なため、液晶テレビに比べると薄くて軽量です。薄さは製品によって異なりますが、液晶テレビの半分以下の薄さに設計されているケースも珍しくありません。

と説明されています。

なるほど、「薄型軽量」というところに、商品としての最大の利点があるようです。

ブラウン管テレビでテレビ番組を見ていた日々がつい昨日のように感じられますが、家電リサイクル法施行後の20年ばかりの間に、テレビという電気製品の主流は、「液晶テレビ」を経て「有機ELテレビ」へと目まぐるしく変遷しています。

技術開発と商品化のスピードがそれだけ早いということになりますが、国の法令改正態勢はそれに追随できていないようです。

と言いますのも、環境省発表で触れられているとおり、
令和4年6月には、産業構造審議会・中央環境審議会「家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書」で、問題点が指摘されていたにもかかわらず、単なる政令改正だけでそこから18カ月間を空費しています。

利害関係の調整が必要な特殊な業界団体があったのかもしれません(笑)。

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