水銀が付着したウエスの取扱い(環境省Q&Aより抜粋)
環境省が公開している「廃棄物処理法施行令等の改正に関するQ&A」の注釈です。
本日は9個目のQ&Aで、「水銀が付着したウエスの取扱い」についてです。
Q2-3: 水銀が付着したウエス等はどのように取扱うべきか。
A:
・水銀とウエスが分けられる場合:特定施設から排出される廃水銀等に該当するものについては、特別管理産業廃棄物である廃水銀等として、また、特定施設以外から排出される場合には、特別管理産業廃棄物である廃水銀等と同様に環境上適正に取り扱ってください。
・水銀とウエスが一体化している場合:水銀が付着したウエス等の総体の性状にあわせて、廃棄物の種類を判断し、水銀含有ばいじん等の対象に該当する場合は、水銀含有ばいじん等として処理してください。水銀が大気中に飛散(揮発を含む)しない措置、及び水銀含有量が1,000mg/kg 以上の場合は水銀回収が必要となります。また、水銀含有ばいじん等の種類に該当しない場合は、水銀含有ばいじん等と同様に環境上適正に取り扱ってください。
注釈
排出の段階で、「水銀を拭き取ったウエスからどうすれば水銀を分離できるのか?」が謎なQ&Aになっています。
ウエスを絞って水銀だけをビンに入れるのだろうか!?
現実的には、水銀とウエスが一体化した物になろうかと思いますが、
問題は、「ウエスが水銀含有ばいじん等に該当するのかどうか」です。
廃棄物処理法施行令第6条第1項第2号ホでは、「水銀含有ばいじん等」の対象を
水銀又はその化合物が含まれているばいじん、燃え殻、汚泥、廃酸、廃アルカリ又は鉱さいであつて、環境省令(施行規則第7条の8の2)で定めるものをいう
と定めています。
かなり具体的な限定列挙のされ方です。
しかしながら、「ウエス」とは、一般的には、「機械から油や汚れを拭き取るための布」を指しますので、どう転んでもウエスが「水銀含有ばいじん等」に該当することはなさそうです。
条文解釈上は、「水銀を拭き取ったウエスが水銀含有ばいじん等になることはない」と言わざるを得ません。
そのため、今回ご紹介したQ&Aは、環境省側の誤解に基づく不正確なものではないかと考えています。
では水銀を拭き取ったウエスは何に該当するのか?
役人ではないので気楽に言い切らせていただきますが、水銀そのものを拭き取った以上は、特別管理産業廃棄物の「廃水銀」として処理するのが一番安全ではないでしょうか。
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2017年11月27日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
カテゴリー:水銀廃棄物