第1回「法案提出理由」プラスチック資源循環促進法

予告をしてから既に2週間が経ちましたが、今回より「プラスチック資源循環促進法(案)」を条文ごとに見ていきます。

現段階では「法(案)」であって、「法」そのものではありませんが、
これまでの国会審議実績から考えると、「廃棄物処理法」その他の環境法に国会議員のセンセイ方が異論を差し挟むことはほぼ考えられませんので、非常に高い確率で、「法(案)」がそのまま「法律の条文」に落ち着くものと思われます。

そのため、法案の個別条文を精読することで、そのまま新法の全体理解に直結することが利点とも言えますので、時間と根気のある方は、全67回(予定)にお付き合いいただけると幸いです。

さて、栄えある第1回は、法案の条文ではなく、「内閣の法案提出理由」についてです。

法律案の全容は、下記の経済産業省サイトに掲載されています。
プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律
※余談ですが、経済産業省ではなく、環境省のサイトを紹介しても良かったのですが、環境省の記者発表文章はインデントがメチャクチャで気持ちが悪かったので、本件に関しては、経済産業省のサイトのみを取り上げていきます(笑)。

なぜ、「法案提出理由」から取り上げるのか?

「法案提出理由」は、法律の条文を構成するものではありませんが、内閣がこの法案を重要と考えた理由が端的に示されていますので、プラスチックゴミ問題に対する内閣の考え方がもっともよく現れる部分です。

そのため、法案の条文の検討に入る前に、まずは「法案提出理由」から見ていくことにしました。

「法案提出理由」は、法案の後ろ、すなわち法案資料の最後尾となります。

理由
 国内外におけるプラスチック使用製品の廃棄物をめぐる環境の変化に対応して、プラスチックに係る資源循環の促進等を図るため、市町村による再商品化並びに事業者による自主回収及び再資源化を促進するための制度を創設するとともに、プラスチック使用製品の廃棄物の排出の抑制等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

※独断と偏見に基づく注釈
肝心の「プラスチック使用製品の廃棄物の排出の抑制等の措置を講ずる必要」な理由が明示されていません。

ここは、日本政府としての思いや狙いが発露したわけではなく、ただ単に文字を当てはめただけの作文のように見えます。

「下衆の勘繰り」はこれくらいにしておいて、法案の主眼は、

市町村による再商品化並びに事業者による自主回収及び再資源化を促進するための制度を創設する

という部分にありそうです。

分解すると
「市町村による再商品化」と
「事業者による自主回収および再資源化」を
「促進するための制度を創設」
となります。

この3つのキーワードを念頭に置き「プラスチック資源循環促進法」を読んでいくと、同法の理解が進みやすいと思いますので、まずは3つのキーワードの存在を意識しておいてください。

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