第11回「第11条 高度再資源化事業計画の認定」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法
第二節 高度再資源化事業計画の認定等

第11条(高度再資源化事業計画の認定) 需要に応じた資源循環のために実施する再資源化のための廃棄物の収集、運搬及び処分の事業(以下「高度再資源化事業」という。)を行おうとする者は、環境省令で定めるところにより、高度再資源化事業の実施に関する計画(以下「高度再資源化事業計画」という。)を作成し、環境大臣の認定を申請することができる。
2 高度再資源化事業計画においては、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 申請者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 申請者が法人である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。第二十四条第一項第二号ロ及びハ、第三十二条、第四十八条並びに第五十一条を除き、以下同じ。)の氏名及び政令で定める使用人があるときは、その者の氏名
三 申請者が個人である場合において、政令で定める使用人があるときは、その者の氏名
四 再資源化の実施方法、再資源化により得られる再生部品又は再生資源の供給を受ける者、再資源化事業の実施の効率化の程度を示す指標その他高度再資源化事業の内容
五 高度再資源化事業を実施する区域
六 廃棄物の収集、運搬又は処分の全部又は一部を他人に委託しようとする場合には、その者の氏名又は名称及びその者が行う収集、運搬又は処分の別
七 廃棄物の収集又は運搬の用に供する施設
八 廃棄物の処分の用に供する施設の所在地、構造及び設備
九 廃棄物の処分の用に供する廃棄物処理施設を設置しようとする場合には、当該廃棄物処理施設に関する次に掲げる事項
イ 廃棄物処理施設の設置の場所
ロ 廃棄物処理施設の種類
ハ 廃棄物処理施設の処理能力
ニ 廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画
ホ 廃棄物処理施設の維持管理に関する計画
十 その他環境省令で定める事項
3 高度再資源化事業計画に前項第九号に掲げる事項を記載する場合には、当該高度再資源化事業計画には、環境省令で定めるところにより、当該廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならない。
4 環境大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、その申請に係る高度再資源化事業計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

一 高度再資源化事業の内容が基本方針に照らして適切なものであること。
二 高度再資源化事業の内容が、再資源化により得られる再生部品又は再生資源がその供給を受ける者の需要に適合していると認められること、第二項第四号に規定する指標からみて当該再生部品又は再生資源の大部分が当該者に対して供給されると認められることその他の環境省令で定める基準に適合するものであること。
三 申請者(第二項第六号に規定する者がある場合にあっては、当該者を含む。第五号において同じ。)の能力並びに同項第七号に掲げる施設及び同項第八号に規定する施設が、高度再資源化事業を適確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合すること。
四 高度再資源化事業計画に第二項第九号に掲げる事項が記載されている場合には、次のイからハまでのいずれにも適合するものであること。
イ 第二項第九号ニに掲げる計画が環境省令で定める技術上の基準に適合していること。
ロ 第二項第九号ニ及びホに掲げる計画が当該廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がなされたものであること。
ハ 申請者の能力が、第二項第九号ニ及びホに掲げる計画に従って当該廃棄物処理施設の設置及び維持 管理を適確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。
五 申請者が次のいずれにも該当しないこと。
イ 廃棄物処理法第十四条第五項第二号イ又はロのいずれかに該当する者
ロ この法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ハ 次条第三項の規定により認定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該認定を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第 八十八号)第十五条の規定による通知があった日前六十日以内に当該法人の役員であった者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)
ニ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。第十六条第三項第六号ニ及び第二十条第三項第六号ハにおいて同じ。)がイからハまでのいずれかに該当するもの
ホ 法人であって、その役員又は政令で定める使用人のうちにイからハまでのいずれかに該当する者があるもの
ヘ 個人であって、政令で定める使用人のうちにイからハまでのいずれかに該当する者があるもの
ト 廃棄物処理法第十四条第五項第二号ヘに該当する者
5 環境大臣は、第一項の認定の申請があった場合であって、当該申請に係る高度再資源化事業計画に第二項第九号に掲げる事項が記載されているとき(政令で定める場合に限る。)は、遅滞なく、当該事項、申請年月日及び縦覧場所を告示するとともに、当該高度再資源化事業計画及び第三項に規定する書類を当該告示の日から一月間公衆の縦覧に供しなければならない。
6 環境大臣は、前項の規定による告示をしたときは、遅滞なく、その旨を当該廃棄物処理施設の設置に関し生活環境の保全上関係がある都道府県及び市町村の長に通知し、期間を指定して当該都道府県及び市町村の長の生活環境の保全上の見地からの意見を聴かなければならない。
7 第5項の規定による告示があったときは、当該廃棄物処理施設の設置に関し利害関係を有する者は、同項の縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日までに、環境大臣に生活環境の保全上の見地からの意見書を提出することができる。
8 環境大臣は、第1項の認定をしようとするときは、第2項第四号に規定する者が再資源化により得られる再生部品又は再生資源を利用して行う事業を所管する大臣に協議しなければならない。
9 環境大臣は、第1項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該認定に係る第2項第五号に掲げる区域を管轄する都道府県知事及び市町村長に通知しなければならない。
10 環境大臣は、第4項第二号の環境省令(再資源化により得られる再生部品又は再生資源がその供給を受ける者の需要に適合していると認められることに係る部分に限る。)を定め、又はこれを変更しようとするときは、経済産業大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならない。

法案の全文は、衆議院「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案」に掲載されています。

独断と偏見に基づく注釈

第11条は長文であるため、各項ごとに注釈を加えていきます。

第1項 
「需要に応じた資源循環のために実施する再資源化のための廃棄物の収集、運搬及び処分の事業(高度再資源化事業)」計画の認定申請に関する規定です。

第2項
「高度再資源化事業計画」の記載事項です。
第四号で「再資源化の実施方法、再資源化により得られる再生部品又は再生資源の供給を受ける者、再資源化事業の実施の効率化の程度を示す指標その他高度再資源化事業の内容」とされています。

「再資源化事業の実施の効率化の程度を示す指標」については、今後制定される政省令で具体化されることとなりますが、「広域認定」等の先行制度の例から鑑みると、第2項に列挙された記載事項を表形式で書くことになるのだろうと思います。

第3項 
「廃棄物の処分の用に供する廃棄物処理施設を設置しようとする場合」には、「生活環境影響調査結果」を認定申請書に添付しなければならないとされています。

第4項 
「高度再資源化事業計画」の認定基準を定めています。

第5項 
認定申請に、「廃棄物の処分の用に供する廃棄物処理施設を設置する」という記載があった場合、環境大臣は、「遅滞なく、当該事項、申請年月日及び縦覧場所を告示」するとともに、「当該高度再資源化事業計画」および「生活環境影響調査結果」が、告示日から1月間公衆の縦覧に供されることとなります。

第6項 
第5項の告示を行った場合、環境大臣は、「生活環境の保全上関係がある都道府県及び市町村の長に通知し、期間を指定して当該都道府県及び市町村の長の生活環境の保全上の見地からの意見を聴かなければならない」とされています。

実際には、この意見聴取は形式的なものとなりそうです。

申請書の審査の段階で、生活環境に明確な悪影響を及ぼす事業計画であれば、その時点で環境省から是正及び補正が求められることが確実であり、告示の段階まで、不適切な事業計画のまま放置されることはほぼ有り得ないからです。

第7項 
環境大臣による告示が行われた際には、当該廃棄物処理施設の設置に関し利害関係を有する者(近隣住民等)は、「縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日まで」に、環境大臣に生活環境の保全上の見地からの意見書を提出することができるとされています。

意見書を提出したからといって、環境省の申請に対する審査が必ず止まるわけではありませんが、裁判所以外で利害関係者が意見を言う機会はここしかありませんので、再資源化事業計画に懸念や不満がある利害関係者は、環境大臣に意見書を提出しておきたいところです。

第8項 
環境大臣が認定をする際に、「再生部品又は再生資源の供給を受ける者が再生部品又は再生資源を利用して行う事業」を所管する大臣に協議することを義務付ける規定です。

第9項 
認定後に、環境大臣に「高度再資源化事業を実施する区域を管轄する都道府県知事及び市町村長に通知」することを義務付ける規定です。

第10項 
「高度再資源化事業の内容が、再資源化により得られる再生部品又は再生資源がその供給を受ける者の需要に適合しているかどうか」の基準を定める、または変更する場合に、環境大臣に、「経済産業大臣その他関係行政機関の長」に協議することを義務付ける規定です。

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