第12回「第12条 高度再資源化事業計画の変更等」再資源化事業高度化法

再資源化事業高度化法

第12条(高度再資源化事業計画の変更等) 前条第一項の認定を受けた者(以下「認定高度再資源化事業者」という。)は、同条第2項第四号から第九号までに掲げる事項を変更しようとするときは、環境省令で定めるところにより、環境大臣の認定を受けなければならない。ただし、環境省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 認定高度再資源化事業者は、前項ただし書の環境省令で定める軽微な変更をしたとき、又は前条第2項第一号から第三号まで若しくは第十号に掲げる事項に変更があったときは、環境省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
3 環境大臣は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、前条第1項の認定に係る高度再資源化事業計画(第1項の規定による変更又は前項の規定による届出に係る変更があったときは、その変更後のもの。以下「認定高度再資源化事業計画」という。)の変更を指示し、又は同条第1項の認定を取り消すことができる。

一 認定高度再資源化事業者(認定高度再資源化事業計画に前条第2項第六号に規定する者が記載されている場合には、当該者を含む。次号及び次条を除き、以下同じ。)が、正当な理由なく認定高度再資源化事業計画に従って高度再資源化事業を実施していないとき。
二 認定高度再資源化事業者が、認定高度再資源化事業計画に記載された前条第2項第六号に規定する者以外の者に対して、当該認定高度再資源化事業計画に係る再資源化に必要な行為を委託したとき。
三 認定高度再資源化事業者の能力又は認定高度再資源化事業計画に記載された前条第2項第七号に掲げる施設若しくは同項第八号に規定する施設が、同条第4項第三号の環境省令で定める基準に適合しなくなったとき。
四 認定高度再資源化事業計画に前条第2項第九号に掲げる事項が記載されている場合には、当該廃棄物処理施設の構造又はその維持管理が同条第4項第四号イの環境省令で定める技術上の基準又は当該認定高度再資源化事業計画に記載された同条第2項第九号ニ若しくはホに掲げる計画に適合していないと認めるとき。
五 前号に規定する場合において、認定高度再資源化事業者の能力が前条第4項第四号ハの環境省令で定める基準に適合していないと認めるとき。
六 認定高度再資源化事業者が前条第4項第五号イからトまでのいずれかに該当するに至ったとき。
4 前条第3項の規定は同条第2項第九号に掲げる事項の変更をする場合について、同条第4項、第8項及び第9項の規定は第1項の認定について、同条第5項から第7項までの規定は当該事項の変更に係る第1項の認定の申請があった場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第3項中「当該廃棄物処理施設を設置すること」とあるのは「同号に掲げる事項の変更の内容」と、同条第5項中「当該事項」とあるのは「当該事項の変更の内容」と、同条第6項及び第7項中「当該廃棄物処理施設の設置」とあるのは「第2項第九号に掲げる事項の変更の内容」と、同項中「同項」とあるのは「第5項」と読み替えるものとする。

法案の全文は、衆議院「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律案」に掲載されています。

独断と偏見に基づく注釈

第12条は長文であるため、各項ごとに注釈を加えていきます。

第1項
認定事業者が下記の事項(再資源化事業高度化法第11条第2項第四号から第九号まで)を変更する場合は、環境大臣に改めて認定を受ける必要があります。

ただし、今後環境省令で定められる「軽微な変更」に属する変更の場合は、改めて認定を受ける必要は無いという整理になる模様です。

・改めて認定を受ける必要がある変更内容
※あくまでも、本稿執筆時点で公開されている法律案の条文に規定された範囲を示しただけですので、今後制定される環境省令で「軽微な変更」として、再認定の対象から除外される可能性が高いものもあります。

  • 再資源化の実施方法、再資源化により得られる再生部品又は再生資源の供給を受ける者、再資源化事業の実施の効率化の程度を示す指標その他高度再資源化事業の内容
  • 高度再資源化事業を実施する区域
  • 廃棄物の収集、運搬又は処分の全部又は一部を他人に委託しようとする場合には、その者の氏名又は名称及びその者が行う収集、運搬又は処分の別
  • 廃棄物の収集又は運搬の用に供する施設
  • 廃棄物の処分の用に供する施設の所在地、構造及び設備
  • 廃棄物の処分の用に供する廃棄物処理施設を設置しようとする場合には、当該廃棄物処理施設に関する次に掲げる事項
    イ 廃棄物処理施設の設置の場所
    ロ 廃棄物処理施設の種類
    ハ 廃棄物処理施設の処理能力
    ニ 廃棄物処理施設の位置、構造等の設置に関する計画
    ホ 廃棄物処理施設の維持管理に関する計画

法律案の条文上は、「収集運搬委託先の氏名又は名称」も認定変更の対象となっていますが、収集運搬業者の社名が変わるたびに一々変更認定を受ける必要性は無いと思われます。

おそらく、こうした事業計画の根幹に関わらない変更内容については、環境省令で「軽微な変更」として位置づけられるものと考えています。

第2項
環境省令で定める「軽微な変更」については、変更後に遅滞なく環境大臣に変更届を提出しなければならない、と定められています。

環境省令で定める「軽微な変更」以外に、法律案の条文に列挙された変更届の対象は、再資源化事業高度化法(案)第11条条第2項第一号から第三号まで若しくは第十号に掲げる事項で、

  • 申請者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
  • 申請者が法人である場合においては、その役員の氏名及び政令で定める使用人があるときは、その者の氏名
  • 申請者が個人である場合において、政令で定める使用人があるときは、その者の氏名
  • その他環境省令で定める事項

となります。

第3項
環境大臣が、事業計画の変更を指示、または認定を取り消すことができるケースを列挙しています。

  • 認定高度再資源化事業者が、正当な理由なく認定高度再資源化事業計画に従って高度再資源化事業を実施していないとき。
  • 認定高度再資源化事業者が、認定高度再資源化事業計画に記載された者以外に対して、当該認定高度再資源化事業計画に係る再資源化に必要な行為を委託したとき。
  • 認定高度再資源化事業者の能力又は認定高度再資源化事業計画に記載された施設が、環境省令で定める基準に適合しなくなったとき。
  • 認定高度再資源化事業計画に廃棄物処理施設に関する事項が記載されている場合には、当該廃棄物処理施設の構造又はその維持管理が、環境省令で定める技術上の基準又は当該認定高度再資源化事業計画に適合していないと認めるとき。
  • 前号に規定する場合において、認定高度再資源化事業者の能力が環境省令で定める基準に適合していないと認めるとき。
  • 認定高度再資源化事業者が欠格要件に該当するに至ったとき。

気になった点は、「欠格要件に該当した場合」の取扱いです。

再資源化事業高度化法案第12条は、「認定を取り消すことができる」という、環境大臣に取消すかどうかの裁量を認める規定となっています。

その一方で、

廃棄物処理法第14条の3の2
 都道府県知事は、産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可を取り消さなければならない。

と、産業廃棄物処理業者の場合は、欠格要件に該当した場合は「必ず取消さなければならない」と、都道府県知事に取消すかどうかの裁量を認めない絶対的な規定となっていますので、同一の事業を行っているにもかかわらず、許認可権者が異なるという理由だけで、一方は確実に死刑宣告、一方は変更すれば免罪も有り得るという状況は、著しく不公平であると言わざるを得ません。
※一般廃棄物処理業者が欠格要件に該当した場合も、上記と同様に「必ず許可を取消さなければならない」とされています。

第4項
事業計画に添付した「生活環境影響調査結果」の「廃棄物処理施設の設置場所」その他を変更する場合の読み替え規定です。

このエントリーを含むはてなブックマーク

タグ

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ