産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成19年度)

2008年12月25日、環境省から「産業廃棄物の不法投棄等の状況(平成19年度)」が発表されました。

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10609

この調査結果は、環境省から毎年全国の都道府県・政令市に対して、前年度の不法投棄状況を照会した結果を取りまとめたものです。

環境省の発表によりますと

  1. 平成19年度に新たに発覚した不法投棄事案の件数は382件(前年554件、▲172件)不法投棄量は10.2万トン(同13.1万トン、▲2.9万トン)でした。(環境省の発表したPDFファイルが読みにくかったため、「投棄量」と「投棄件数」のみ、経年変化をグラフ化してみました)

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平成19年度末における不法投棄等の残存件数は2,753件(前年2,774件、▲21件)、残存量の合計は1,633.7万トン(同1,565.3万トン、+68.4万トン)でした。

  1. 実行者の内訳
    件数別では、排出事業者が193件(50.5%)、実行者不明が100件(26.2%)、無許可の産廃処理業者(無許可業者)が57件(14.9%)、産業廃棄物許可業者(許可業者)が21件(5.5%)
    投棄量別では、許可業者が3.1万トン(30.6%)、排出事業者が2.4万トン(23.7%)、無許可業者が2.3万トン(22.4%)、実行者不明が2.0万トン(19.8%)、複数によるものが0.4万トン(3.4%)でした。

  2. 不法投棄廃棄物の種類
    件数別で見ると、建設系廃棄物が290件(がれき191件、建設混合廃棄物54件、建設系木くず36件等)と多く、全体(382件)の75.9%
    投棄量別で見ると、建設系廃棄物が8.0万トン(がれき5.8万トン、建設混合廃棄物1.7万トン、木くず0.4万トン等)と多く、全体(10.2万トン)の79.0%でした。

全体的な傾向としては、不法投棄、すなわち廃棄物の不適切処理が減少傾向にあるようですが、2009年以降は、経済不況の影響が各所で顕在化し始めておりますので、このまま減少傾向がつづく可能性は低いと思います。

また、この統計では、1件当たり10t以上の不法投棄しかカウントしていませんので、10t以下の小規模な不法投棄の影響についても考慮していく必要があるでしょう。

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