産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成26年度実績)

2017年4月21日に、環境省から、「産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(平成26年度実績)について」が発表されました。

1.産業廃棄物処理施設の設置状況(≒日本全体の産業廃棄物処理能力)

産業廃棄物処理施設全体としては、前年度よりも64施設減少しています。

前年度よりも施設数が増えたのは、
「廃酸・廃アルカリの中和施設(+3 【前年度の施設数との比較、以下同様】)」
「廃プラスチック類の破砕施設(+55)」
「木くず又はがれき類の破砕施設(+96)」
「PCB廃棄物の焼却施設(+18)」

前年度よりも増えた施設がある一方で、減少した施設の数がはるかに多いため、産業廃棄物処理施設全体では64施設の減少となっています。

「PCB廃棄物の焼却施設」が急増しているのは、環境大臣が認定する「低濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物の無害化処理施設」が増えたためと思われます。

2.産業廃棄物処理業の許可件数

事業者数ではなく「許可件数」ですので、一社で複数の自治体の許可を取得した場合、その許可件数がカウントされることになります。

2010(平成22)年改正で収集運搬業許可が都道府県知事に事実上一本化されたため、平成23年度から許可件数が激減しています。

「許可件数=新規許可+更新許可+変更許可」ですが、このうち「変更許可」については微々たる数値と思われますので、実質的には「新規許可+更新許可」と考えられます。

「新規許可」は、各都道府県で新たに産業廃棄物処理業を営む人
「更新許可」は、それまで許可を持っていた都道府県の許可を再更新する人
となりますが、

前年度と比べて、ここ4年間許可件数が減少し続けている理由としては、「新規参入者」と「再更新をする人」の両方が減っているのかもしれません。

ただし、事業者から自主的に提出された「廃止届」は、前年度よりも大幅に減っていますので、「廃止届を出さずに、許可有効期間の満了をもって自動的に許可を失効させる」事業者の数が多いものと思われます。

3.取消処分件数の推移


こちらも「許可件数」と同様に、平成23年度から許可取消件数が激減しています。

その理由は、収集運搬業許可の合理化に伴い取消の対象となる許可そのものが減少したためと思われます。

平成23年度以降の流れで見ると、平成26年度は例年並みの許可取消件数だったと言えそうです。

4.最終処分場の状況

最終処分場の残存容量(埋立可能な容積)は減少し続けていますが、そこに埋立てる量も年々減少しているため、最終処分場全体の残余年数は少しずつ伸び続けています。

「残余」という表現は、「それ以上増やせない状態での余力」という意味になりますので、「最終処分場はまだまだ増える(簡単ではありませんが)」「最終処分量は今後も減少する」ことを考え合わせると、最終処分量の現状を表す言葉としては若干不適切になってきているのかもしれません。

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