時代は変わったor歴史は繰り返す

早い人だと既に連休に入っている方も多いかと思います。

私は逆に、昨日から事務所で夜勤です(笑)。

若干寝ぼけた頭で、ある地方銀行が発表したニュースを読みました。

「時代は変わったなあ」という好感を持って読み終えましたが、ふと、一昔前から現在までの世の中の動きを思い出すと、「歴史は繰り返す」ことにも改めて注意が必要と思った次第です。

まずは、好感を持った記事からご紹介します。

2017年4月28日付 青森銀行発表 「株式会社青森クリーンに対する協調融資について -地域インフラの整備に向けた産業廃棄物最終処分場の建設-

青森銀行がシンジケートローンを組成し、株式会社青森クリーンの管理型最終処分場拡張のために融資を行うというニュースです。

金融機関が産業廃棄物処理業者に対して協調融資をすること自体は珍しい話ではありませんが、プレスリリースの最後の

当行は、今後とも地域経済の発展に向けた先駆的事業への資金供給を通じ、地域企業の支援と産業活性化に貢献してまいります。

という、銀行側の飾り気のない姿勢が好印象でした。

最終処分場は、産業廃棄物処理施設の中でも一二を争う“忌避施設”ですが、地方銀行がこのように堂々とプレスリリースできるということは、事業主体である青森クリーン社が地元住民から受け入れられている証拠と言えましょう。

さて、「時代は繰り返す」の話ですが、
「協調融資 産業廃棄物」というキーワードで検索をすると、一番古い情報は2004年まで遡ることができました。

そう、一時期大ブームとなった「環境格付融資」です。
(※注 上掲の青森銀行の協調融資は、「環境格付融資」とは無関係のようですので、その点でも好感を持ちました)

「環境格付融資」については、三菱東京UFJ銀行が壮大な焦げ付きを発生させたことが、いまだに記憶に新しいところです。
※2010年7月12日付 DIAMOND online 「環境融資で焦げつきが多数発生 幕引き図る三菱東京UFJの責任

大流行の裏では、融資後すぐに倒産、あるいは深刻な経営危機に陥った処理業者が多数発生した点を、忘れるべきではありません。

融資後に経営破綻した産業廃棄物処理企業の特徴は、「融資ありき」で、「事業計画は二の次」だったことが共通しています。

意識の高い人から怒られるかもしれませんが、個人的に「環境格付融資」と同じ匂いを感じるようになった言葉が「SDGs」です。

まず、日本人にとって内容をイメージしがたい「エスディージーズ」という呼称からしていけない(笑)。

「SDGs」の本質に関する考えを書き始めると紙幅が足りませんので、今回は、「お題目を唱えただけで解ったつもりになることの愚」だけを指摘しておきます。

頭が良く、人間的にもまっとうな人ほど、こうした理念をすぐ受け入れてしまいがちですが、「理念ファースト!」では単なる妄想に終わることが多いことを、歴史は静かに語っています。

理念ではなく、「我欲、あるいは大志ファースト」であるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

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