行政代執行 完済までに1万8000年!?

毎日新聞より転載
産廃業者:完済に1万8000年 ダイオキシン無害化

高濃度のダイオキシンが検出された和歌山県橋本市の産業廃棄物処理場跡の無害化処理をめぐり、行政代執行でかかった約11億円の業者側の返済に1万8000年以上かかることがわかった。業者側は現在月5000円程度を払っており、完済は西暦2万600年代。差し押さえる資産もなく、県は「実際に返済を受けており、欠損処理するわけにもいかない」と頭を抱えている。

問題となった産廃処理場では、97年に焼却灰から高濃度のダイオキシンを検出。費用の払えない業者に代わって、県が00年、01年、03年の3回、無害化処理を行う行政代執行に踏み切った。無害化処理工事は完了している。

和歌山県は、処理などにかかった費用として、04年に11億1627万2850円の納付を命令。当初は、社長が月1万円を断続的に支払っていた。しかし、その後体調不良になるなどして月5000円に減額。昨年6月に社長が亡くなってからは、役員だった親族が支払い続けている。今までに返済した総額は約15万円。

完済までに1万8千年という、天文学的な数値に目がいってしまいますが

5年間で15万円しか返済されていないからこそ、完済までに1万8千年という途方も無い数字が出てきただけです。

この問題の本質はそこではありません。

注目していただきたいのは
委託先の中間処理業者が「本気?」で不適正処理を企図すれば、
排出事業者にも「11億円」という、途方も無い撤去費用の一部負担が求められるという事実です。
「記事のどこにもそんなことは書いていないじゃないか!」と、思われる方が多いかと思います。

報道されている事件では、
2000年以前、正確には1997年頃まで産廃を不法に焼却していた ようです。

ここが重要なポイントなのですが

仮に、現在同じような行為を中間処理業者が行うと、
間違いなく、その業者に産業廃棄物の処理を委託した排出事業者の責任が問われることになります。
なぜ、同じ事をしても、昔なら責任を一切問われず、今なら責任追及がなされるのか?

それは、2000年度に廃棄物処理法が改正され、排出事業者も措置命令の対象に加わったからです。

たまたま、この事件は、その法律改正よりも前に発生した事件であったため、排出事業者の責任が問われることはなかったわけです。

もちろん、現在でも、いきなり排出事業者の責任が問われるわけではなく、
一番最初に責任が問われるのは、廃棄物の不適切な処理を実行した当事者です。

しかし、もし、その実行者が今回の報道のように弁済の資力を有しない場合は・・・

残念ながら、その実行者に処理委託をした排出事業者の責任が問われることになってしまいます。

その場合、言うまでも無く、排出事業者には「ある時払いの督促無し」という
いい加減な弁済が認められる余地はありません。
「委託先の中間処理業者がどんな事業者なのか」などを、排出事業者自身が確かめることがいかに重要かを思い知らされる事件でした。

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