かながわクリーンセンター、クレハ環境へ事業譲渡

産経ニュース 廃棄物処理事業団、クリーンセンターを約15億円で譲渡

神奈川県、横浜市、川崎市が出資して設立したかながわクリーンセンターが、経営不振のため、クレハ環境(福島県)に事業譲渡されることが決まったそうです。

かながわクリーンセンターの施設概要 を見てみると、日量70tの焼却炉が3基、破砕機2機、汚泥の脱水施設1機、選別施設などの大変立派な施設内容となっています。

これらの施設一式が15億円で買えるのならば、安い買い物と言えなくもありませんが、問題はイニシャルコストに見合うだけの収益が見込めるかどうか・・・

焼却炉が3基もありますが、1基は常にメンテナンス用で休止すると思われますので、実情はフル稼働で2基の同時運用といったところでしょうか。

それでも、日量140tの焼却量というのは大した量です。

現在、焼却処理に回る産業廃棄物の量は年々減っており、逆にリサイクルに回る量が増え続けていますので、この状況下では、かながわクリーンセンターの処理能力は大きすぎると言わざるを得ません。

かながわクリーンセンターの事業内容をそのまま継続するだけでは、設備の減価償却もままならないのではないかと思われます。

クレハ環境側は、そんな事情を百も承知で買い手として手を挙げたものと思いますが、場合によっては、焼却炉の閉鎖や縮小、新設備の設置など、柔軟な事業設計が必要になることでしょう。

従業員の継続雇用や災害廃棄物の受入れ義務など、経営の重石となる条件が多いので、黒字化するのには長期間かかるものと思われます。

クレハ環境には、民間ならではの効率的な経営戦略を期待したいところです。

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