ブラウン管TVの新たなリサイクル手法か

 時事ドットコム ブラウン管を放射線遮蔽材に=鉛含むガラス、実験で効果-廃品活用、一石二鳥 より記事を転載。

 物質・材料研究機構(茨城県つくば市)は25日、原発保守管理会社「アトックス」(東京都中央区)と協力し、鉛を含むテレビのブラウン管ガラスが放射線の遮蔽(しゃへい)材として使えることを実験で確認したと発表した。東北3県を除いて24日にアナログ放送が終了し、古いブラウン管テレビが大量に家電リサイクルに回される一方、福島第1原発では安く使い勝手の良い遮蔽材が求められており、一石二鳥の解決策になるかもしれないという。
 ブラウン管からは微弱な電磁波が漏れるため、ガラスには遮蔽効果のある鉛が1割程度混ぜられている。福島第1原発の内外に放出された放射性物質のうち、主要な放射性セシウムからは放射線の一種のガンマ線が出ているが、ガンマ線はエネルギーの高い電磁波。鉛は遮蔽材として優れているが、バッテリー用などの需要があり、コストが高い。
 同機構の原田幸明・資源循環設計グループリーダーらは、砕いたブラウン管ガラスを箱詰めし、コバルト放射線源(800兆ベクレル)と線量計の間に置いて遮蔽能力を測定した。その結果、砕いたガラスの厚さが約55センチあれば、放射線を100分の1まで低減できることが判明。この遮蔽能力は、厚さ約9センチの鉛板に相当する。

ブラウン管TVには鉛が含まれているため、ブラウン管TVの原材料として再利用する以外には、これといったリサイクル手法が存在しないのが悩みの種でした。

肝心のブラウン管TV自体が、海外でも製造されなくなってきましたので、いよいよ手詰まり状態になるところでしたが、鉛の特性に注目したリサイクル手法が見つかりました。

現実的には、厚さ9cmの鉛板に匹敵する放射線遮蔽能力を持たせるためには、厚さ約55cmもの破砕したブラウン管ガラスが必要とのことですので、量が膨大になります。

そのため、個人的には原発での遮蔽物として使用するよりは、下記のような一般廃棄物処分場で、埋立資材兼放射線遮蔽物として使用するのが良いと思います。

YOMIURI ONLINE 焼却灰、10施設で基準超

 (茨城)県廃棄物対策課は26日、県内30か所の一般廃棄物焼却施設のうち10施設の飛灰から、国が一時保管などの対応を求めている1キロ・グラムあたり8000ベクレルを超える放射性セシウムが検出されたと発表した。10施設は最終処分場での埋め立てを休止し、最終処分場や焼却施設内でドラム缶などに入れて一時保管している。

 焼却灰の放射性物質検査は環境省の要請を受け、初めて実施した。

 各施設で6月23日~7月22日、焼却灰を採取したところ、常総環境センター(守谷市)で同3万1000ベクレル、くりーんプラザ・龍(龍ヶ崎市)で同1万9300ベクレル、霞クリーンセンター(阿見町)で同1万6200ベクレル、勝田清掃センター(ひたちなか市)で同1万5900ベクレル、日立市清掃センターで同1万5500ベクレル、那珂湊清掃センター(ひたちなか市)で同1万3800ベクレル、土浦市清掃センターで同1万2100ベクレル、クリーンセンター(小美玉市)で同1万2000ベクレル、北茨城市清掃センターで同1万400ベクレル、環境クリーンセンター(かすみがうら市)で1万ベクレルを検出した。

 検査前にすでに埋め立てられた飛灰もあるが、同課では「埋め立て場所は居住地から十分に離れており、周辺環境に影響はないと考える」としている。

最終処分場の場合は、埋め立てるスペースとしては広々としていますので、復旧現場の一角を破砕ガラスが占めるという事態にはなりません。

半永久的に効果がある遮蔽物なので、埋立処分場の管理を考えても理想的です。

さらに、
ブラウン管TVに限り、「家電リサイクル料金の負担」ではなく、「埋立資材としての買上げ(つまり売れる)」ということになれば、不法投棄は無くなります。

廃棄物ではなく、有価物として競って集荷される対象になるからです。

「放射線の遮蔽」と「不法投棄の抑制」、そして「ブラウン管TVのリサイクル」の一石三鳥が成り立つ妙案だと思うのですが、いかがでしょうか?

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