環境省職員が不法投棄まがいの失態

スポーツニッポン 環境省職員 福島から送られてきた汚染土“不法投棄”

スポーツ新聞から記事を引用するのは初めてです(笑)。一般誌以上に経緯の詳細が書かれているからです。
記者クラブのようなしがらみがない分、メディアの本領を発揮しているのかな?

東京電力福島第1原発事故による放射性物質で汚染されているとみられる土壌が環境省に2度送りつけられ、そのうち一つを同省職員が埼玉県の自宅近くの空き地に投棄していたことが17日、分かった。細野豪志環境相が緊急会見で明らかにし、「あってはならない事案」と謝罪。総務課長らを同日付で異動させた上で、関係職員を処分する考えを示した。

厳密には、捨てたのが土壌であるため、現時点では違法性はありません。

「放射性物質汚染対処特別措置法」がまだ施行されていないからです。

しかし、だからといって、放射性物質の汚染と無関係な震災廃棄物でさえ、広域処理に抗議活動が起こる状況下で、
環境省職員が行った行為は、今後放射性物質で汚染された廃棄物処理を進めていく環境省の職員としては軽率すぎるものでした。

もっと問題なのは、投棄自体は職員の一存でやったようですが、
省内にそれを許容する意識というか、文化があったことです。

官房総務課長という、行政のパワーバランスを担う中枢の要職者自身が、投棄を認容するような発言をしたことがきっかけとなり、実際の投棄が発生したようですので、
「暗黙の了解」や、「組織の論理」という、言語化しにくい大きな欠陥が環境省の中枢に根付いている気がします。

個人の失態という認識でとりあえずやり過ごしてしまうと、
組織体制の欠陥を放置することになってしまうのではないかと懸念しています。

細野氏は「除染の役割を担っている省として対応が極めて不適切」として、総務課長を同日付で自動車環境対策課長に降格させる人事を行った上で、政務三役も含めた関係職員の処分を18日にも行う考えを示した。また自身についても「監督不行き届きがあった」と謝罪した。

これは当然の対応だと思います。

 

特別措置法では、福島県内の土壌は、県内に開設予定の中間貯蔵施設に送ることが義務づけられる。細野氏は土壌を送りつける行為について「気持ちは分かるが、除染に力を尽くすので慎んでほしい」と話した。

謝罪会見であるためか、弱い言い方になっていますが、
汚染土壌を送りつけられるたびに放射線量を測っていたのでは、環境省の業務進行に著しい支障が生じます。
「慎んでほしい」ではなく、はっきりと「止めてほしい」と言った方が良かったと思います。

それにしても、
環境省に汚染土壌を送りつけるという行為は、「威力業務妨害罪」にならないのでしょうか?
刑法に詳しい専門家の方がおられましたら、コメントなどをいただけると幸いです。

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