国道用地から産業廃棄物が大量に出土

建設現場に大量の産廃 国道23号バイパス

 鈴鹿市稲生町の国道23号中勢バイパス建設現場で、地中から大量の廃タイヤやコンクリート殻などの産業廃棄物が見つかったため、今月四日から工事が中断している。廃棄物の全容はつかめておらず、量によってはバイパス道路の開通時期に遅れが出る可能性がある。国交省三重河川国道事務所が二十四日発表した。

 事務所によると、廃棄物が埋まっていたのは鈴鹿サーキットに近い八千平方メートルの草地。国が一九九三~九五年にかけ複数の民間所有者から購入した。

 廃棄物は道路本線予定地の長さ二百メートル、幅百メートルの間に断続的に埋まり、厚さ五十センチ~一メートルの土がかぶせられていた。埋まっていた深さは、地表から最大で五メートルもあった。用地買収後、現場にはくいを打って車が進入できなくなっていたため、買収前に埋められた可能性が高いという。

 九月四日に土を切り取る工事を始めると同時に廃棄物が見つかり、事務所は範囲を確定後、二十一日に周囲をロープを張り巡らせて立ち入り禁止にした。

 工事場所は、二〇一四年度に開通予定の一・八キロ区間。地中から取り除く必要があるため、今後、廃棄物の正確な量や土壌汚染の有無を調べる。現時点で工事の再開時期は見通せず、担当職員は「全体の工期に影響する可能性がある」と話している。

 中勢バイパスは、鈴鹿市北玉垣町から松阪市小津町を結ぶ全長三十三・八キロ。現在六割の二十・二五キロが完成している。一四年度には八割程度まで完成する予定だ。

上掲以外の毎日新聞では、

(三重県)鈴鹿環境課は「投棄者が確認され、不法投棄と分かれば、撤去するよう指導する」としている。

というコメントが掲載されていますが、捨てられた、あるいは埋められたのが相当以前である場合は、投棄者を確定するのは非常に困難と思われます。

投棄者を特定するに足る、文字情報ベースの証拠がほとんど残っていないと考えられるからです。

1993年以前に不法投棄されたとすると、約20年ほど前の話ですから、当時社会問題化していた使用済み注射針などの感染性廃棄物も見つかるかもしれません。

埋められているものは建設廃棄物やタイヤなどのようなので、腐敗をする廃棄物は入ってなさそうですが、国土交通省は土壌汚染の有無も調査をするとのこと。

道路用地であるためそこまでする必要性は少なそうですが、不法投棄現場周辺に田やため池が点在するためでしょう。

国土交通省(当時は建設省)が用地買収する際に、土地の現況を確認し、バイパス用地として適切に使用できるかどうかを確認しなかったために、今頃になって時限爆弾が爆発した格好です。

もちろん、不法投棄をした人物が一番悪いのは事実ですが、本来は二束三文の土地を高値で買ってしまった行政の責任も重いものがあります。

その財源は国民や企業が支払った血税なのですから。

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