子どもの夢を壊したくはないのですが・・・

ベネッセ社のこどもチャレンジは、子ども心をくすぐる教材のラインナップの秀逸さで、すべての子どもの心を掴んで離さないものです。

我が家の子ども達も、兄弟全員子どもチャレンジのお世話になっています(笑)。

過去に販売した教材をコンサート会場に持ってきてもらい、それをプランターなどに再生させるという事業。

Benesse くるくるリサイクル

理念としては、子どもへのリサイクル教育という意味でも大変素晴らしい事業だと思います。

しかしながら、職業病かもしれませんが、
やはり廃棄物処理法の観点からは疑問に感じる点があります。

以下、ベネッセ社のFAQから抜粋。


<こどもちゃれんじ>の教材以外のおもちゃも回収してもらえますか?
どれが<こどもちゃれんじ>のおもちゃかわからないので、まとめて持って行きたいです。


廃棄物処理の法律上、私どもで集められるものはベネッセからお届けしているものに限ります。おもちゃ本体もしくは箱にベネッセのロゴがあるかどうかをご確認いただき、対象かどうかご判断いただければと思います。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

赤字で書いた部分は、おそらく「下取回収」の意味での答えだと思われます。

大変残念ながら、ベネッセ社はコンサートを行っているだけであり、廃棄品の回収と引き換えに製品を販売しているわけではないので、「下取回収」のスキームは使えないと考えられます。

「下取回収」とは、上述したように、販売活動と一体となった無償回収に対し、回収行為そのものは廃棄物処理業の許可を不要とする制度です。

制度と書きましたが、法律で担保されたものではなく、昔の通知レベルで運用しているに過ぎないものです。

コンサートは商品の販売とはまったく無関係ですので、下取回収とは言えないと考えられます。

それでは、今流行の「無料回収BOX」という位置づけなのでしょうか?

それなら、自社製品に限定する必要はまったくありません。

余談ですが、「下取回収」の場合でも、自社製品に限定する必要はないとされています。

ひょっとすると、自社製品にこだわりを見せている点から、「一般廃棄物の広域認定を取得しているのか?」と思いましたが、
環境省の公表情報 一般廃棄物広域認定制度の認定状況(H24.5.1現在)には、ベネッセ社の名称が載っていません。

年間11回も回収をするようなので、ベネッセ社は一般廃棄物の広域認定を取得すると、合法的にこの事業を行えるようになります。
認定を受ければ、回収物の運搬、プランターへの再生までをひっくるめて、廃棄物処理業の許可不要で行えます。

もしよろしければ、当事務所でも産業廃棄物に関する広域認定取得の実績がありますので、お手伝いできます(笑)

話を無料回収BOXに戻しますが、
無料回収=廃棄物ではないという結論にはなりません。

ベネッセ社自身、回収物を「ご家庭で遊ばなくなったもの」と定義をしている以上、
廃棄物(不要物)を集めているという認識があるということになります。

ベネッセ社の教材の大半はプラスチックや木製品なので、専ら物には該当しない性状です。
そのため、専ら物の回収とも言えません。

あと考えられるのは、
商品を買ってくれた人限定で、旧製品の回収をするというもの。

これだと純然たる下取回収になります。

しかし、新商品を買ってもらえない子どもが少し可哀想です。

なんだか子どもの夢を壊すあら捜しをしている気分がしてきましたが、
社会的意義のある事業をやるならば、誰に対しても胸を張って誇れる状態にしていただきたいという、応援と受け止めていただけると幸いです。

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