日本車両リサイクルの新工場が本格稼働開始

12月18日付日本経済新聞 日本車両リサイクル、鉄道車両の解体工場が本格稼働

 日本車両リサイクル(富山県高岡市)が建設した鉄道車両を解体する日本初の屋内工場が本格稼働を始めた。JR西日本、名古屋市交通局、えちぜん鉄道(福井市)から中古車両計34両を買い取り、リサイクル処理を進める。2013年度以降はJR東日本からも車両を受け入れる見通しだ。

 17日、車両本体を鉄スクラップに加工する大型圧縮せん断機の作業を公開した。

 国際特許を取得したせん断能力2500トンのギロチンプレス機は、処理槽に入れた車両を約30分かけてのみ込むように圧縮・せん断する。

 10月の工場完成から、同社は車両に含まれるアスベスト(石綿)対策を検討。鉄道車両に法的規制はないが、高岡労働基準監督署の指導を仰ぎ、ちりを吸い取る装置導入などの作業手順を自主的に決めた。

 工場稼働に合わせ、車両仕入れを本格化する。アスベスト対策を要する旧型の車両は除去する前工程だけで約1週間を要するが、一般的な車両なら「月間100両の処理が可能」(高倉康氏社長)としている。

鉄道車両をそのままリサイクルするために富山県高岡市の日本製紙工場跡地に設置された、日本車両リサイクルの工場が本格稼働を開始したそうです。

鉄道車両を有価物として買取りしているようですので、産業廃棄物処理業ではなく、スクラップ業として操業されているようです。

日本車両リサイクルのHP を参照し、産業廃棄物処理業の許可に関する記載がないことを確認しましたが、業許可を取得済みである場合は、ご指摘いただけると幸いです。

元々、鉄道車両自体は、車両基地などで解体することでリサイクルされていましたが、165,000平方メートルの敷地にそれ専用のリサイクル工場を設置し、リサイクル率を高めると同時に、環境にも配慮した事業を行うというのが肝ですね。

それにしても、アスベストを使用した旧車両の場合、アスベスト除去の前工程だけで1週間かかるということですから、今までの現場解体では、かなりのアスベストが現場で飛散していたのではないでしょうか?

その意味で、労働環境にも配慮した画期的な工場と言えます。

車両解体のニーズがどれほどあるのかを把握していませんが、同規模で同種のリサイクル施設が作られる可能性は今後も低いと思われますので、本当の意味でのオンリーワン工場と言えますね。

鉄道車両の他にも、バスやトラックなどの大型車両、FRP船などの処理困難物も処理可能とのことですので、北陸地域の重要なリサイクル拠点となる可能性があります。

ただ、FRP船の場合は、有価物扱いが困難かと思いますので、廃棄物処理業の許可を受ける必要がありそうですね。

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