ワコールがプラではなくブラリサイクル
ワコール社が2月12日から4月22日まで、ブラジャーの下取回収キャンペーンを行うそうです。
従来は自社製品しか回収していなかったそうですが、今年度は他社製品も回収するとのこと。
下取回収によって、既存店舗の売上増が確実に見込めるなどの勝算がついたものと思われます。
廃棄物処理法的には、広域認定ではないので、自社製品のみにこだわる必要はまったくありませんでした。
回収時に使う袋がありきたりの回収袋ではなく、刺繍作家の大塚あや子さんがデザインしたもので、封をすることでブラジャーのデザインを隠した状態で持ち運べるようになるという工夫が秀逸です。
ワコールの面目躍如です。
一点だけ気になったのは、
回収後のブラジャーは、RPFに再生加工するという点。
ブラジャーの素材自体はRPFに再生可能な繊維だと思いますが、
ブラジャーに使用されているワイヤーなどの金属部品をどう取り除くのか?
ワコール社の説明では、回収袋を開けることなく、そのままRPF加工に回しますと書かれています。
これは、「ワコール社では開封しないが、処理業者では開封して手作業でワイヤーを抜く」ということなのか、
それとも、「処理業者でも開封せずに、袋ごとブラジャーを破砕処理して、ワイヤーなどは磁力線別で完全に除去する」のどちらかなのでしょう。
30万枚以上のブラジャーを処理するためには、手作業でワイヤーを分離しているとは思えませんので、やはり後者の機械的な選別工程を有した処理業者に委託しているのではと思います。
どの処理業者がRPFに加工しているのかを公開していると、さらに素晴らしかったのですが、そこまではさすがに思いが至らなかったようですね。
残念なことに、公開している処理業者の事業場の写真が少し汚れた画像なので、もう少し綺麗な画像で掲載してあげて欲しかった!
それに、画像はRPF加工機ではなく、前処理の破砕機のように見えます。
ちなみに、回収したブラジャーは本来は一般廃棄物に定義されるものですが、
ワコール社が下取回収をした時点で、ワコール社の産業廃棄物となり、ワコール社が処理責任を負うことになります。
そのため個人的な見解としては、
ワコール社が下取回収するまでは廃棄物ではないので、一般廃棄物と産業廃棄物の区別をする必要はなく、
店舗で回収をした時点で、ワコール社や協力店舗の販促、つまり事業活動の一環で発生した廃棄物に該当し、産業廃棄物の廃プラスチック類として扱うのが適当だろうと考えています。
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2013年2月12日 | コメント/トラックバック(2) | トラックバックURL |
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コメント
下取りの意味が良く分からなくなってしまいました。。。
新しい商品を購入しなくても、下取りって成り立つのでしょうか?
さくパパ 様 コメントいただき、ありがとうございました。
下取回収の位置づけを単なる通知で済ましているのが最大の問題ですね。
店頭回収の場合、新商品の購入と旧製品の回収がそれほど厳密にはリンクさせていないので、実務的には問題がないだろうと思います。
が、解釈の問題になると、ご質問の内容にひっかかりが生じますね。
その解釈問題を解決するために、私見「店頭回収時点までは廃棄物に該当しない」をひねり出しましたが、
単なる一個人の解釈にすぎませんので、異論や反論も色々出てもおかしくないと思っております。