レッグ(松山市)の後始末費用が数十億円規模に

3月13日付 毎日新聞 松山の産廃処分場:「レッグ」問題 不法投棄汚泥、3万立方メートルに /愛媛

 松山市は12日、市が水処理施設の行政代執行をしている産廃処理会社「レッグ」運営の産業廃棄物管理型最終処分場(同市菅沢町)で、不法投棄された重油や軽油を含んだ汚泥が約2万7000〜3万立方メートルになることを明らかにした。市議会環境下水委員会で答弁したもので、埋め立て容量(約23万立方メートル)の約1割にあたる。

 同市が県から許認可権の移譲を受けた97年以前の不法投棄で、持ち込んだ業者や経緯は不明という。埋められた油は撤去せず、処分場の周囲を地下20メートル以下までコンクリートや鉄板で囲んで外部流出を防ぐ予定。費用は数十億円に及ぶとみられ、市は今後、レッグ本体や歴代の役員、不法投棄された廃棄物を排出した企業などに対して処理費用を請求する。

松山市の廃棄物処理施設審議会制度検討部会の委員に就任しておりましたので、同部会の最終局面で、「廃油が埋立層の下部から見つかった」と聞きましたが、
その後の詳細調査で、約3万立方メートルもの廃油混じりの汚泥が埋まっていることが発覚したとのこと。

廃棄物の埋立層は、地層のように下から上へと積み上げていくものですから、
埋まっている深さがわかれば、おおよその埋立年代もわかります。

本件を複雑にしているところは、最終処分場が設置された昭和61年から平成9年3月までは愛媛県が処分場に対する規制監督をしていましたが、平成9年4月以降は松山市にその権限が移ったこと。

そして、松山市に権限が移ってからではなく、愛媛県が権限を持っていた時代に廃油の不法投棄が行われていた事実が発覚しました。

因果関係からすると、愛媛県が権限を持っていた時に、今日につながる問題が発生したのは間違いありません。

ただし、だからといって、愛媛県のみに法的責任を負担させるということも非常に困難と考えられます。

その理由は、行政のメンツと責任 で書いたとおり、結果的には不法投棄の萌芽を見逃したことにはなりますが、愛媛県の規制監督行為に明確な法律違反があったわけではないからです。

しかしながら、政治的、あるいは職業倫理的な観点からすると、愛媛県にも今日の問題の責任の一端があると言えます。

幸い、今の中村愛媛県知事は知事になる前は松山市長でしたので、政治的には、松山市との協働がやりやすいのではないかと思います。

あくまでも外野の単なる目論見ですので、事務方の思惑や実際の政治状況は、こちらの想像と大きく異なるものであるのかもしれません。

もちろん、記事にもあるとおり、行為者や委託者へ責任追及を図ることが最優先ですが、
事実上行為者は休眠状態であり、20年ほど前の廃油の委託者を調べるのも非常に困難と思われます。

そのため、松山市単独ではかなり大変な事業費になりますので、対策費用の協力に関して愛媛県知事の英断を期待したいところです。

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