川崎市で市民団体がてんぷら油リサイクルを活発化

5月10日付 東京新聞 天ぷら油のリサイクル全市に拡大 川崎市 本年度1万リットル目指す

 使用済みてんぷら油を回収してバイオディーゼル燃料(BDF)に変える川崎市の市民団体の取り組みが、全市規模に広がった。温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を増加させず、ディーゼルエンジン車にそのまま使用できるBDF。市民団体は今後回収量を増やし、リサイクルにいっそう力を入れる構えだ。

 精製装置は、川崎区のNPO法人「川崎市民石けんプラント」内にある。提携する環境市民団体「かわさきかえるプロジェクト」(宮前区)が募ったカンパなどを購入資金に充てた。

 同プロジェクトなどによる油の回収は五年前、高津区でスタート。区役所や出張所、町内会館などの回収ポイントに持ち込んでもらっている。エリアは徐々に拡大し、昨年九月に幸、中原区、十二月に川崎区が加わり、全市を網羅した。

 てんぷら油をBDFにリサイクルする活動は各地で展開されているが、市内では唯一。回収量は年々増加しており、昨年度は八千リットルを集め、ほぼ同量のBDFを精製した。トラック四十台の一カ月分の燃料相当量で、かわさき生活クラブ生協の配送車の燃料などに使われている。

 エリア拡大を受けて本年度は一万リットルの回収を目指すが、課題は啓発。「てんぷら油の再利用がまだ市民に浸透していない」と、同プロジェクトの伊中悦子代表は明かす。同プロジェクトなどは、ごみ収集車にBDFを導入できないかを市に持ち掛けている。伊中代表は「市はまだ、てんぷら油は可燃ごみとして出すよう呼び掛けている。『捨てる』から『使う』へ意識の転換を促したい」と強調する。

行政ではなく、市民主体でリサイクルを推進するというのは大変すばらしいことです。

我が家でも、廃油は新聞紙に吸わせて可燃物として市に回収してもらっていますが、新聞に油を吸わせること自体が面倒(そう)です。(自分でやっていないので)

そういった手間をかけずに、油のまま排出し、またそれがほぼ全量リサイクルできるので、社会的便益が非常に高いと言えます。

1点だけ普及が進まない理由を挙げるとすれば、行政側の啓発が足らないという事情も確かにあると思いますが、
「廃油を廃油のまま家の外に持ち出すには、手間が結構かかる」という点ではないでしょうか。

これは、廃油が廃油である以上、解決がなかなか難しい問題であります。
廃油を持ち出すためには、一定量溜まるまで容器に移し替えて保管しなければなりませんし(少なくとも、我が家には廃油の保管スペースがない!)、
持ち出す際には、油がこぼれてはいけませんので、慎重に運搬する必要があります。

こういった手間を解消できる道具やサービスがあれば、もっと簡単に廃油のリサイクルは普及するように思うのですが、いかがでしょうか?

また、油という性質を最大限活かすためには、リサイクルよりも、燃料としてのリユースの方がさらに望ましいと思います。

トラックのエンジンをてんぷら油対応に改造するのは困難なのかもしれませんが、
ボイラーを改造し、てんぷら油をそのまま投入できるようにするというのは、現実に銭湯などで行われています。

銭湯などと協働し廃油のリユースを推進することも、選択肢の一つとして十分あり得るだろうと思います。

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