行政も市況の相場を把握するべき

2013.9.4 02:03 産経ニュース 資源リサイクル「京都市は安価」 住民監査請求

 京都市が資源ゴミとして回収したペットボトルを業者へ売却する際の単価が他市と比べ半額以下になるのは不当として、市内の男性(42)が3日、市に対して、事業者の入札の透明化などを求める住民監査請求を行った。

 監査請求によると、今年度、市に2つあるリサイクルセンターの売却先は1トンあたり平均2万6千円で堺市の業者が落札。一方で隣接する宇治市など6市町が参加する城南衛生管理組合については、1トンあたり6万円で滋賀県内の業者が落札した。

 京都市は環境省が推奨する公益財団法人容器包装リサイクル協会に販売先の選定を委託、入札も協会が行っているが、男性は同組合のように独自に入札を行えば、より高い価格で処理することが可能と主張。「京都市の財産収入が減少する可能性もある。来年度以降は落札経過を透明化し、売却先を競争入札で実施するよう求めたい」としている。

至極まっとうな趣旨での住民監査請求だと思います。

京都市から買い取った業者のリサイクルフローがわかりませんが、
ペットボトルを1tあたり26,000円で買い取ると、さらに圧縮の手間をかけないといけませんが、1tあたり50,000円程度で中国向けに輸出できます。

買値の倍で転売できるのであれば、非常に美味しい商売と言わざるを得ません。

下記の図は、ここ1年の廃プラスチックの輸出単価と輸出量の推移です。
どちらも財務省「貿易統計」からデータを抜粋・加工したもの。

輸出単価の推移(単位は、1tではなく、1kgあたり)

輸出量の推移

公益財団法人容器包装リサイクル協会に入札手続き一切を任せた結果、
公益性とは少しかけ離れる入札結果になったのはなぜなのでしょうか?

真相はよくわかりませんが、税金をかけて集めた資源を、むざむざと安値で買い取られるというのも割に合わない話です。

ただし、1tあたり6万円で買い取られることを目標にするべきではありません。

このような高額な買取価格は、「どうしても原料となるPETが欲しかった」等のその業者側の特殊事情に基づくもので、通常は概ね国外への輸出単価などと連動して買取価格が決まります。

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