シルバー人材センターによる剪定枝の不法投棄

不法投棄をしているという認識がなかったのかもしれませんが、
本質的な意味においてはかなり悪質と思われる不法投棄事件が発生しました。

2015年3月6日付毎日新聞 行政指導:宮崎市がシルバー人材センター警告 廃棄物の枝を山林へ違法処理 /宮崎

 廃棄物に当たる剪定(せんてい)後の枝を約8年半にわたり違法な処理していたとして、宮崎市シルバー人材センターが市から警告の行政指導を受けていたことが分かった。市議会一般質問で明らかになった。

 市とセンターによると2006年1月〜14年6月、高岡支部で枝の搬出業務を請け負った後、廃棄物処分の許可を持たない男性会員所有の山林に廃棄していた。この処理は廃棄物処理法違反に当たるという。料金は軽トラック1台の搬出が2000円で、このうち1500円を男性に処理委託料として払っていた。男性会員は少なくとも09年度以降、計約436万円を受け取ったという。

 14年6月、他の会員からセンターに「違法ではないか」と相談があり発覚した。報告を受けた市は同11月、業務体制改善などを求める警告書をセンターと男性会員に交付した。

 センターの小八重貴成事務局長は「法解釈が不十分で、ご迷惑を掛けた」と謝罪している。

冒頭で「悪質」と断じた理由は、不法投棄の回数が頻繁すぎることです。

記事にある料金を基礎とすると、
2009年からの5年間で436万円の不法投棄収益がありましたので、軽トラック1台あたり1500円の手数料ということは、約2900台分の不法投棄受託があったことになります。

5年間で2900台ということは、1年あたり580台。
1日にすると約1.6台の不法投棄が、365日間毎日行われていた計算になります。

これは「法解釈が不十分」というレベルの話ではありません。

本来なら、宮崎市の関連団体である以上、剪定枝は宮崎市の清掃工場に事業系一般廃棄物として安価で持ち込めるはずのものでした。

それをわざわざ山林に不法投棄をし、その山林の所有者であるシルバー人材センターの会員に手数料を支払う、というのはかなり不自然に見えます。

最近では野焼きでもすぐ訴追の対象になる状況ですので、今回の不法投棄事件の当事者は訴追される可能性もあります。

簡潔な記事ですが、そこから想像できる不法投棄の背景にはかなりドロドロしたものがありそうな、後味の悪い事件でした。

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