大同特殊鋼包囲網の形成

大同特殊鋼のスラグ処理が廃棄物処理法違反に該当するか否かは、今後警察の捜査で明らかにされることと思いますが、
事件となるかどうかにかかわらず、スラグの施工現場でフッ素その他が環境基準を超えている以上、スラグの製造者としての同社への責任追及の動きが強まりそうです。

2015年10月27日付 毎日新聞 「鉄鋼スラグ問題:大同特殊鋼に対策費を請求へ 渋川市が方針転換 /群馬

 大同特殊鋼渋川工場から有害物質を含む鉄鋼スラグが排出された問題で、渋川市は市発注工事に使われたスラグの対策費を大同側に請求する方針を固めた。阿久津貞司市長は毎日新聞の取材に「市民感情を考えれば応分の負担を求めざるを得ない」と説明した。

 (渋川)市議会は今年6月、措置計画の早期策定を市に求める決議を賛成多数で可決。市の担当者は「国や県との連絡会議で示された対応を取る」と繰り返したが、国土交通省は4月、大同に対策費用を全額負担させる方針を明らかにしている。国交省は既に八ッ場ダムの移転代替地や国道17号の一部でスラグ撤去に着手。前橋市も大同に撤去費用を出すよう求め、協議を重ねている。

 渋川市は問題発覚直後に「大同側に対策費を請求しない」との方針を表明して市民に行政訴訟を起こされ、大同側が任意で撤去費用を市に支払ったこともあった。県警は9月、廃棄物処理法違反容疑で大同特殊鋼の本社や工場を家宅捜索し、強制捜査に乗り出している。県がスラグを「廃棄物」とみなし刑事告発したことで、渋川市は方針転換を余儀なくされた形だ。

スラグの施工現場の状況にもよりますが、公園といった乳幼児が頻繁に利用する場所の場合は、「掘削除去」や「土壌入換え」等の対応が必要となりそうです。

群馬県の発表では、群馬県内で同社のスラグが使用された225ヶ所のうち、環境基準超過が93ヶ所、その周辺土壌の54ヶ所で基準を超過していたとのことですので、
最低でも90ヶ所以上の施工現場で、何らかの対策工事が必要となりそうです。

売ってはならない状態のスラグを素直に管理型処分場に埋める費用と、資材としての販売後に請求される除去費用を比べると、どちらの方が経済的だったのでしょうか?

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