自前処理にこだわる理由は?

ダイオキシン類の測定を基準値未満になるまでやり直していたことが発覚した高島市が、問題となった焼却炉の使用を本年度中に停止するそうです。

2017年6月22日付京都新聞 「焼却施設使用停止へ 滋賀・高島市環境センター

 滋賀県高島市の福井正明市長は21日、2018年2月末をもって市環境センター(同市今津町途中谷)で稼働中の焼却施設の使用を停止すると発表した。焼却施設は、環境基準値を超えるダイオキシン類を含むばいじんを7年間にわたって出していたことが14年に発覚。現在は基準値を超えていないが、老朽化が激しいこともあり25年度末をめどに新設する方針を決めた。

 3月から同センターはごみの積み替え拠点として活用し、後継施設を建設するまでの間、「暫定措置」として県外の民間処理業者に委託し、焼却処分する。ごみの出し方など住民への影響はないという。

 同センターは03年4月に運転を始め、市が直営してきた。会見で福井市長はダイオキシン問題に触れ、「近隣自治体や関係者に多大な迷惑をおかけした。あらためておわび申し上げたい」と謝罪した。

 同センターの焼却施設は高温で蒸し焼きにする「流動床ガス化溶融」と呼ばれる特殊な方式を採用。耐用年数は15~20年程度と言われ、老朽化が激しい。高度な運転、管理技術を要するため、この方式を採用するのは、全国で33自治体の施設に過ぎないという。

 市環境センター在り方検討委員会の答申に沿って、ごみ処理の広域化を模索したが、近隣自治体との足並みがそろわず断念。市単独の後継処理施設を市内に建設することにした。

 福井市長は「民間委託はあくまでも暫定措置」とした上で、「現段階では後継施設の適地(建設予定地)は白紙」と強調した。

 同市によると、年間のごみ処理費用は10億円余、市民1人当たり約2万7千円にのぼる。県平均の約1万4千円と比べて極めて高い。民間委託した場合、約6億4700万円となり、大幅な経費圧縮となるという。

民間委託は「暫定措置」とのことですが、
「新しい焼却炉の設置場所は白紙」である以上、この暫定措置はかなり長い期間に及びそうです。

市民の側からすれば、高額な新しい焼却炉をわざわざ高島市単独で作るよりも、既にある(市外の)民間事業者のところで処理してもらう方が安いのであれば、誰も文句を言わないと思います。

環境負荷も一切高まりませんしね。

現時点で、高島市が自前処理にこだわる理由はよくわかりませんが、「市内の既存業者への配慮」あたりかと思います。

しかしながら、これはまったくの杞憂です。

焼却を民間委託したとしても、一般廃棄物の収集運搬自体は、市か既存の収集運搬業者が行うしかないため、市民にとっても、市内の既存業者にとっても、生活や事業内容は何も変わらないからです。

一番合理的な方法は、
現在の焼却炉設置場所を一般廃棄物の集積拠点とし、そこに市か既存業者が集めた一般廃棄物を搬入後、まとめて市外の民間事業者の焼却炉に搬出することです。

そうすれば、新たな設備投資をすることなく、すぐに年間数億円のコスト削減が可能になります。

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