会社思いの従業員
メディア側の業者や市当局への追及が生温いので、下手な芝居を見せつけられたような思いしか残りませんが、それぞれの登場人物が吐いた台詞の背景を考えると、嘘を言っている人とのその数が簡単にわかります。
ネタばらしをすると興醒めですので、誰が嘘をついているかは皆さんで考えてください(笑)。
業者でしょうか?市役所でしょうか?はたまた取材記者でしょうか?
安っぽい筋書きですが、頭の体操にはなります。
2017年6月29日 毎日放送 「追跡!回収したごみを隣町へ越境するパッカー車!?疑惑業者を直撃取材」
ほのめかしで終わると消化不良になりますので、問題の現実的な側面を少しばかり指摘しておきます。
まず、告発者である市民オンブズマンの方の
「これだけひどいのは珍しいですね。要するに全てが香芝市に入っているんです」
という指摘
残念ながら、こうした事案は全国的にありふれており、ひどいケースの場合は、一般廃棄物収集運搬業の許可が無い自治体まで回収に赴き、それを一番処理費が安い清掃工場に持ち込む業者が数多く存在します。
夜間早朝に張り付いてまで取材をし、それをニュースとして取り上げるのであれば、こうしたもっと違法性の高い行為についても報道で取り上げないと不公平だと思います。
報道対象の収集運搬業者の許可内容がわかりませんが、「香芝市」と「広陵町」の許可を両方とも所持しているのであれば、香芝市の清掃工場において、「映像以外の証拠」で、香芝市内の廃棄物か否かを判断するのは至難の業です。
搬入してきた廃棄物の袋をすべて破り、排出元を細かく精査するしかないからです。
まあ、通常の行政活動において、そこまでの手間暇を掛けて展開検査を行う自治体はほとんどありません。
その例外的な自治体としては、大阪市がありますが、
そもそも、廃棄物処理法制定から平成初期に至るまでの間、奈良県内の一般廃棄物と産業廃棄物を集めつつ、処理費が安い大阪市の清掃工場に一緒くたに搬入するというのが、奈良県下の収集運搬業者の基本的なビジネスモデル(?)でした。
大阪市がごみの越境と産業廃棄物の搬入に厳しくなったのは、歴史的な経緯を考えると、つい最近のことと言えます。
もっとも、大阪市からの規制をもっとも厳しく受ける一般廃棄物収集運搬業者としては、規制が厳しいという実感しか湧いてこないと思いますが・・・
最後に、このニュースで一番心を打たれた部分について
Q.広陵町のゴミをとって、そのまま香芝市の美濃園(焼却場)に持っていってるんですけど
「今聞き初めかな、そんな話聞くのは」
Q.どういうことですか?
「今聞き初めやって言うてんの。うちはそんなことをするなと従業員に言っているから、やっていることはやっていないと思っているから。そんなこと聞くのが初めてやって言うてるねん。要するに会社がやらしてるんやったら把握してるわね。会社も何も知らなかったらわからない。現実にあったとしても」
社長が指示せずとも、従業員の独断で、処理費は安いが回収現場からは遠い清掃工場に、越境をしてでもわざわざ廃棄物の持ち込みをする従業員。
なんと使命感が強く、愛社精神の強い方なのでしょうか!
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2017年7月3日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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