だめだこりゃ

2019年2月14日付 中日新聞 「元社長逮捕後も汚水流出 名古屋のリサイクル工場に停止命令

 名古屋市港区の食品リサイクル工場「バイオプラザなごや」から未処理の汚水を名古屋港に流したとして水質汚濁防止法違反の罪で食品廃棄物リサイクル会社「熊本清掃社」(熊本市)と元社長が起訴された事件で、名古屋市は14日、工場に対して15日間の使用停止命令を出した。愛知県警が元社長らを逮捕した1月24日以降も、工場から基準値を超える汚水を海に流し続けていたという。

 市によると、元社長の逮捕後、工場から排出される水の簡易検査を実施。水の汚れの指標となる化学的酸素要求量(COD)の項目で高い値が出たため、1月30日から専門機関による本格的な水質調査に切り替えた。

 その結果、1月30日~2月4日の計7回の検査のうち4回で県の基準値を上回り、最大で3・9倍に上った。汚水の処理施設が正常に稼働していないという。工場では未処理のまま汚水を海に流すのが常態化し、施設の整備がおろそかになっていたとみられる。

 熊本清掃社は「担当者がいないのでコメントできない」としている。

夜中や雨天にこっそりと未処理の汚水を垂れ流しているだけかと思いきや、天候に関わりなく、そして行政が立入検査をしに来ているにもかかわらず、未処理汚水を垂れ流すことが常態化していたとのこと。

在りし日のいかりや長介に締めてもらうしかない、質の悪いコントのような現実です。

だめだこりゃ!

さて、実務的な観点から気になった点は2つあります。

まず第1に、名古屋市が廃棄物処理法に基づき下した使用停止命令の期間が、「15日間」と非常に短いこと。

軽微な違反であればさもありなんですが、水質汚濁防止法違反の嫌疑がかかっており、なおかつ市当局が立入検査で施設の異常が常態化していることを現認した以上、最低でも「30日間」以上の使用停止命令とすべきだったと思います。

被処分者に事業系一般廃棄物を委託している排出事業者に配慮したのか、
それとも、単なる排水基準の超過事案として、問題を矮小化したかったのか、
あるいは、刑事処分が下されるまでの時間稼ぎだったのか、
真相は何だったのでしょうか?

第2に、結局のところ、違法業者に委託をすると、排出事業者自身が一番困ることになるわけですが、
昨今、ドラ●もんの秘密道具的な便利さと万能さが喧伝される「現地確認チェックシート」で、この種の違法操業が見抜けるかどうかです。

まさか、排出事業者が排水の水質検査をするわけにもいきませんので、○×を現場で必死でチェックしたところで、企業の管理体制の欠如はほぼ見抜けません。

チェックシートには、「俺、賢い」あるいは「俺、仕事してる」感を味合わせてくれる効用がありますが、現実的な効果が乏しい以上、ある意味ドーピングのようなものです(苦笑)。

だったらどうするか?

その方法をここで簡単にまとめることは不可能ですが、
一つだけ言えることは、「チェックシートに依存するな」です。

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