何を言っているのかわからない

2021年11月11日付 毎日放送 「許可得ず産廃処理の工事受注…建設会社の社長ら逮捕 910tの廃棄物を茨木で投棄か

 大阪府の許可を受けずに産業廃棄物の処理などを受託したとして、建設会社の社長ら3人が逮捕されました。

 廃棄物処理法違反の疑いで逮捕されたのは、大阪府高槻市にあるB建設の社長・B容疑者と元請け2社の社長・T1容疑者(49)とT2容疑者(48)の計3人です。

元請の容疑者のイニシャルが両方ともTであるため、T1とT2としました。年子の兄弟社長というわけではありません(笑)。

警察によりますと、B容疑者らはおととし3月に大阪府の許可を得ないまま産業廃棄物が生じる解体工事3件を受注した疑いがもたれています。

逮捕容疑は、「産業廃棄物が生じる解体工事の受注」ではなく、「無許可で産業廃棄物処理を受託」の方が正確だと思います。

警察がテキトーな罪名を公表するわけがありませんので、ニュース原稿を書く記者の誤解があったように思われます。

 B容疑者が解体現場から出た廃棄物を運び込んでいたとされる場所には、細かいがれきからトイレの便座まで、様々な物が土と混ぜられて高く積み上げられています。廃棄物らしきものが廃棄物を運び込んでいたとされる場所の裏手にある川でも確認できました。

 警察によりますと、B容疑者は、解体工事36件分の廃棄物を運び込んだとみられていて、今年3月時点で約910t(土を含む)が投棄されていたということです。

「36件」という数字は、警察の裏付けが取れた件数であるため、実際はもっと多数の現場から廃棄物が持ち込まれた可能性もあります。

36件で910tとすれば、1件当たり約25.3t程度の廃棄物が発生していたことになり、解体工事の実態からすると、解体で発生した廃棄物の全量が適正に処理されることなく、茨木市内の山中に運び込まれていたように思われます。

 取り調べに対して、B容疑者は容疑を認めていますが、T1容疑者とT2容疑者は「下請け業者が産業廃棄物の処分の許可を持っていればいいと思っていました」などと容疑を否認しているということです。

報道の内容が断片的すぎてよくわからないのがこの元請業者のコメントです。

「下請け業者」が、「B容疑者」のことを指すのか、それとも「B容疑者ではない工事の下請け業者」を指すのかがわかりません。

どちらを指しているにせよ、下請に産業廃棄物処分業許可は必須ではありませんし、元請としては「産業廃棄物処分業者に廃棄物を渡した後のことは預かり知らん!」では済まない話です。

2010年の廃棄物処理法改正で「第21条の3」という「建設廃棄物の処理責任は元請にある」と高らかに宣言した条文ができてから10年以上経った現在でも、このような「無知な元請」と「不適正処理を実行する下請」の組み合わせは、今の日本に数多く存在しています。

ここまで「法律の規制なんて知らん!」と堂々と言われてしまうと、真面目に仕事をしている多数の会社の努力が無駄になってしまいますので、警察のみならず、行政当局にも強力な規制を期待したいところです。

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