呪詛VS祈り
不法投棄への警告に関する一般的アプローチの常識を覆す新発見です。
2022年2月3日付 沖縄タイムス 「「まさか今ごろ、それも沖縄で」こんな警告板なら従うかも 福岡に立てて17年後、沖縄の村が拝借」
沖縄県中城村住民生活課が1月初旬、不法投棄やポイ捨てを防ごうと新しい看板を作った。「ゴミを捨てたあなたにバチが当たりませんように」。逆説的な警告のメッセージに、真っ赤な鳥居と合掌のポーズのイラストを添えた。課の職員がインターネット上でデザインを見つけて衝撃を受け、ほぼそのまま拝借したという。本紙の取材で、福岡県内の元区長の池田三十四(みとし)さん(68)が17年前に考えた看板であることが分かった。
池田さんは「まさか今ごろ、それも沖縄で」と電話口で驚きつつ、「ごみを捨てるのは動物じゃなくて人ですからねえ」と発案のヒントを語った。
中城村の新しい看板があるのは、県営中城団地前の村道などごみ捨ての多い村内5カ所。これまでも、19台ある村の監視カメラを移動させながら設置し、投棄作業をした車のナンバーなどが分かれば警察に情報提供してきた。転入転出時期に当たる毎年3~4月は、家電の不法投棄が目立つ時期。私有地に捨てられた場合は土地の所有者が自費で処分せざるを得ないため、どうにか投棄を防ぎたいと今回、看板を一新した。
発案者の池田さんは、福岡県みやま市高田町にある黒崎開(くろさきびらき)南区の元区長。鳥居と合掌のイラストを描き込んだ看板は「ゴミを捨てたあなたにバチが当たりませんように」「スピードを出すあなたが事故にあいませんように」「ゆっくり走っていただいてありがとうございます」の全3部作だという。
「不法投棄を見ているぞ!」とか「このバチあたりめ!」等の呪詛的なアプローチではなく、「ゴミを捨てた人にバチが当たりませんように」という祈りにも似たアプローチの方が、殺伐とした雰囲気が無く、どことなく平和な感じがします。
簡単な言葉ではありますが、このようなフレーズを考えつくということは並大抵のことではありません。
言葉とは、それを使う人の内面が如実に表れるものですので、発案者の方のこれまでの人生や価値観の結晶と言えます。
私などは、呪詛系のフレーズならすぐに思いつきますが、捨てた人の身を案じるという境地には死ぬまで至れそうにありませんので、本当に素晴らしいフレーズだと思いました。
交通安全系の「ゆっくり走っていただいてありがとうございます」は、各地で見る機会が増えましたが、
「ゴミを捨てたあなたにバチが当たりませんように」は、まだ実際に見たことがありませんので、
沖縄県中城村のみならず、日本各地で成功事例として採用していただくと、各地域がさらに平和になること間違いなしです。
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2022年2月8日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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