何事も検証は大切

福岡市が、市民からプラスチックごみを持ち込んでもらい、今後本格的に分別回収すべきかどうかを検証する取組みを始めたとのことです。

2022年5月23日付 NHK 「プラスチックごみ分別回収のモデル事業 福岡市が開始

プラスチックごみのリサイクルを進めるため、福岡市は、洗面器やバケツなどを分別して回収するモデル事業をきょうから始めました。
福岡市は、家庭から出されるプラスチックごみを燃えるごみとして扱っていますが、プラスチック資源循環法の施行を受けて、一部を分別して回収するモデル事業を始めました。
対象となるのは、洗面器やバケツ、ハンガーなど20品目で、弁当の容器やレジ袋などプラスチック製の容器包装は今回は対象外です。

プラスチックごみの一括回収にいきなり踏み切る自治体がある中、まずは期間と回収対象を限定して、リサイクルや二酸化炭素削減効果があるかどうかを検証するという姿勢が素敵です。

一括回収の場合、現実問題として、プラスチックの部材ごとの選別工程が不可欠と愚考しますが、「いったい、誰がその分別をするのか?」という心配で近頃すっかり睡眠が浅くなりました(誇張)。

自治体側にそのような細かい分別をするリソースは無いと思われますので、自治体から受託した業者の人力による「根性手選別」しかないような気がします(本心)。

そのような個人的杞憂を抱いている最中のニュースでしたので、福岡市の取組みが地に足の着いたものとして、好感を持っています。

今回、分別回収の対象になるプラスチックごみは▼お盆▼計量カップ▼ざる▼ボウル▼食品保存容器▼まな板▼茶わんやコップなどの食器▼調理器具のバット▼ハンガー▼書類ケース・レターケース▼ごみ箱▼バケツ▼じょうろ▼ちりとり▼おけ・洗面器▼風呂いす▼CD・DVD・ブルーレイディスク▼クリアファイル▼下敷き▼定規の20品目です。

分別回収の対象が20品目となかなか多岐にわたっています。

「風呂いす」は回収対象に入っていますが、「風呂のふた」は回収対象に入らないのでしょうね(笑)。

おそらく、プラスチックの素材が単一となる製品のみを回収対象にしたものと推察いたします。

リサイクル効率と二酸化炭素削減の両方を狙うのであれば、「市民からの分別持ち込み」が最適解であろうと思います。

これが自治体側で回収するとなった場合、「異物の排除」や「回収に伴う二酸化炭素発生量の増加」等、様々な課題をクリアしていかねばなりません。

また、「地元、あるいは近傍にプラスチックの再利用可能な事業者が存在するかどうか」も極めて重要な要素となります。

あとは、リサイクルの採算性を成り立たせるための「一定量以上の回収量」も重要ですね。

「根性手選別」ではない、地域にとっての最適解が明らかにされることを期待しております。

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